納諫篇(巻2・納諫第5)
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「貞観政要」の記事における「納諫篇(巻2・納諫第5)」の解説
納諫篇(巻2・納諫第5) 貞観の初め、太宗が王珪と酒盛りをして楽しく語っているとき、太宗の側に美しい女性が侍っていた。その女性はもと廬江王・李瑗の妾であり、李瑗が敗れて死んだ後、没収されて宮中に入った。太宗はその美人を指して王珪に言った。「廬江は道理にそむいた。その夫を殺して、その妻を奪ったのだ。滅びて当然だ。」王珪は立って席をよけて言った。「陛下は廬江が他人の妻を奪ったのを邪であるとお考えですか、邪でないとお考えなのですか?」太宗は言った。「人を殺してその妻を奪ったというのに、その是非を問うとはどうしたことか?」それに対して王珪は言った。「『管子』という書に、斉の桓公が、滅亡した郭国の廃墟に行き、そこで老人に問いました。『郭はなぜ滅んだのか?』老人は言いました。『善を善とし、悪を悪としたからです。』そして桓公が、『それは賢君ではないか。なぜそれで滅んだのだ。』と聞くと、老人は答えました。『郭の君は善を善としましたが、それを用いることができず、悪を悪としましたが、それを除くことができませんでした。よって滅んだのです。』とあります。今、このご婦人が陛下のお側に侍っています。失礼ながら陛下はその行為を是認されているのではないでしょうか。陛下がもし非となされるならば、これこそ悪を知ってそれを除かないことであります。」太宗は大いに喜び、至極もっともであると称賛し、すぐにその女性を親族のもとへ帰した。
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