第二序文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 07:15 UTC 版)
「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の記事における「第二序文」の解説
いわゆる「アンリ2世への手紙」。日付は1558年6月27日となっており、『予言集』の第2セクションが1558年に刊行されていたとする説の一つの根拠にもなっている。 内容は、時のフランス国王アンリ2世に対し『予言集』の第2セクションを献呈する際に添えた書簡の体裁をとって、黙示文学の影響の強い未来の情景を述べるものとなっている。この書簡も信奉者たちによる解釈がさまざまに加えられてきたが、長い上に前後の脈絡をつかみづらい箇所が少なくないため、本来の文脈とは切りはなす形で断片的な節を抜き出して解釈を行う、という形が採られてきた。懐疑主義者のエドガー・レオニなどは、こうした断片的な読み方の不適切さを指摘していた。 宛名の「アンリ2世」は、この書簡の日付の約一年後に横死しているため、この書簡の本当の宛先は、未来に現れる偉大な君主であるとし、「2世」(second)はラテン語の「来るべき」(secundus)の意味とする説も、信奉者の間には見られる。 ノストラダムスは、これ以前にも1556年1月13日付の「アンリ2世への手紙」を公刊している(1557年向けの暦書に収録)。しかし、両者の内容は整合していない(第二序文の内容は、先行する手紙の存在を全く反映していない)。また、第二序文に登場する聖書年代の算定結果が、暦書でのそれと一致していないことも指摘されており、これらを根拠に、第二序文を偽書と疑う研究者もいる。
※この「第二序文」の解説は、「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の解説の一部です。
「第二序文」を含む「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の記事については、「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」の概要を参照ください。
- 第二序文のページへのリンク