社会問題への取り組みと階級協調
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 03:47 UTC 版)
「レールム・ノヴァールム」の記事における「社会問題への取り組みと階級協調」の解説
いっぽう、それまで大勢を占めてきた「教会は貧しい者には忍耐を、金持ちには慈善を説けばよい」といった考えに対し、この回勅が画期的であるのは労働者の貧困や境遇の改善は(憐れみの対象ではなく)社会正義の問題であるとし、「人格の尊厳と基本的人権を認め、擁護し、愛する」ことを基本とした社会の変革や社会問題への主体的な取り組みを指示したことであった。 具体的には資本と労働の関係や政府と市民の関係について述べて共産主義と無制約な資本主義のあいだの道を模索し、私有財産制を擁護しつつも、労働者に労働権を認めて労働組合を結成することを支持し、階級協調を説いた。 労働者への言及はカール・マルクスらの『共産党宣言』に遅れること43年であったが、この回勅以降こうした考え方がカトリック教会の正式な立場となった。
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