砧蒔絵硯箱
主名称: | 砧蒔絵硯箱 |
指定番号: | 2592 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2000.06.27(平成12.06.27) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1合 |
時代区分: | 室町時代 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 室町時代中期のいわゆる東山時代には、高度な蒔絵技術が発達するとともに和歌などの古典にちなんだ歌絵意匠が盛行した。本品の意匠はその好例で、秋の野に枕を象徴的にあらわし「し・ら・れ・ぬ・る」の文字を隠した蓋表の図から、″きぬた″の場面を描いた蓋裏の図へと連関し、さらにその前景として描かれた秋草や兎が、見込みにも描かれるという巧妙な構成をとる。そして、全体の意匠と蓋表の文字によって『千載和歌集』巻第五所収「旅宿きぬたといへる心をよめる 俊盛法師、衣うつ音をきくにぞしられぬる里遠からぬ草枕とは」の歌意を意匠化したものと理解される。 洗練された意匠表現、繊細巧緻な蒔絵技法において、重文・春日山蒔絵硯箱(東京・根津美術館蔵)に相通ずる作風を示す歌絵意匠蒔絵硯箱の優品である。 |
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