真砂岳雪崩遭難事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 03:48 UTC 版)
「真砂岳 (立山連峰)」の記事における「真砂岳雪崩遭難事故」の解説
2013年(平成25年)11月23日午前10時55分頃に山頂部の西面(大走尾根の北側)で大規模な表層雪崩が発生し、山スキーを行っていたとみられる7人が死亡する山岳遭難事故が発生した。死因は全員窒息死であった。雪崩が発生した以前の麓の気象観測点「上市」の気象データを下表に示す。 麓の気象観測点「上市」の気象データ日付降水量(mm)平均気温(℃)最低気温(℃)最高気温(℃)日照時間(h)11月16日0 7.2 2.2 13.7 8.2 11月17日0 10.6 1.7 17.7 6.7 11月18日4.5 6.5 1.8 10.2 0.6 11月19日0.5 5.4 1.3 9.5 1.6 11月20日69.0 3.7 2.0 6.2 0 11月21日22.5 4.4 1.4 6.7 0.7 11月22日19.0 5.5 3.3 7.9 0 11月23日0.5 5.8 0.8 11.8 6.0 上市の気象観測点は、真砂岳山頂の西北西20 kmの標高296 mに位置する。高度換算で真砂岳山頂の気温は、上市の気温より15℃ほど低いものと推定できる。雪崩が発生した2 kmほど南西の室堂にあるホテル立山(標高2,420 m)一帯では4-5日前から悪天候が続き、23日午前9時の積雪量は220 cm、気温は-3 ℃、快晴で日中の気温が上昇し、大規模な表層雪崩(幅30 m、長さ600 m)が発生したものとみられている。雪崩の瞬間の映像は動画投稿サイトのYouTubeなどに投稿され、稜線付近から一気に雪が崩れ10秒ほどで人々が次々に雪崩にのみ込まれた。2組の遭難者一覧を下表に示す。 真砂岳雪崩遭難者一覧グループ年齢性別発見された場所10年ほど前から毎年春と秋に室堂周辺の山域に山スキーに訪れていたグループ 72 男 3人はデブリ(雪崩の終着点の雪が堆積した場所)4人はデブリの100 m上の地点 59 女 58 女 55 男 46 男 山スキーを行っていたと見みられる夫婦 44 女 36 男 現場はこの時期一般客が踏み入らない場所で、バックカントリースキー、バックカントリースノーボードなどを行う上級者が入ることがある場所で、雪が吹き溜まり雪崩が発生し易い場所である。23日午後3時半ごろには近隣の立山連峰最高峰大汝山(標高3,015 m)西面の山崎カールおよび真砂岳の西側下部にある雷鳥沢でも雪崩が発生した。
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