病院再編と法人の設立(2009-2013)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 06:59 UTC 版)
「とちぎメディカルセンター」の記事における「病院再編と法人の設立(2009-2013)」の解説
下都賀郡市医師会の管内(栃木市と下都賀郡壬生町、以下「栃木地区」)では、下都賀総合病院、とちの木病院、下都賀郡市医師会病院の3つの病院が急性期医療を担い、互いに機能の重複があった。下都賀総合病院は老朽化に伴う新築移転が検討され、折しも2009年(平成21年)の日本国の補正予算で創設された地域医療再生基金から、二次医療圏を対象として最大100億円を交付する臨時医療再生交付金の制度が整ったため、これを利用することを決定し、栃木県庁では下都賀総合病院の新築を柱として交付金申請に着手した。 しかし、栃木地区を含む県南地域医療圏には小山市民病院(現・新小山市民病院)もあり、同じく老朽化が進行していたため、小山市は同院と下都賀総合病院の統合再編を主張した。結局、県は交付金を下都賀総合病院と小山市民病院の双方の整備に充当することで幕引きを図り、申請したが、政権交代により民主党が自民党政権下の予算見直しを断行した結果、交付金の獲得には成功したものの、25億円に減額されてしまった。その後、見直し結果の見直しが行われ、三次医療圏(都道府県)を対象とした、病院数削減を伴う統合再編を行うならば最大120億円を交付する制度が創設された。 この間、下都賀総合病院の運営主体であった栃木県厚生農業協同組合連合会(JA栃木厚生連)は、施設の老朽化や医師不足を背景とする経営難のため、同院の運営から撤退することを発表した。これに対し、とちの木病院を運営する医療法人の理事長は、栃木市長にとちの木病院と下都賀総合病院の統合再編私案を提示した。一方、下都賀郡市医師会は県庁に下都賀郡市医師会病院と下都賀総合病院の統合案を示した。栃木市当局は県庁との相談を通して、2つの病院が別個に下都賀総合病院との統合を検討していることを知り、3つの病院の統合再編を提案し、上記の交付金獲得を目指した。3病院の統合再編案は日本政府の有識者会議で高い評価を得て、30億円が再編費に充当されることとなった。この30億円に、先に獲得した臨時医療再生交付金からの5億円を加えた計35億円が再編整備費に充当されることが決まった。 県による国からの交付金申請の裏で、栃木市では2010年(平成22年)7月の「栃木市地域医療確保対策会議」の設置を皮切りに3病院の統合再編の具体化を進め、まずは2013年(平成25年)4月に一般財団法人とちぎメディカルセンターを設立し、3病院の運営法人を一元化した。
※この「病院再編と法人の設立(2009-2013)」の解説は、「とちぎメディカルセンター」の解説の一部です。
「病院再編と法人の設立(2009-2013)」を含む「とちぎメディカルセンター」の記事については、「とちぎメディカルセンター」の概要を参照ください。
- 病院再編と法人の設立のページへのリンク