甲殻類としての異質さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 07:30 UTC 版)
「ムカデエビ綱」の記事における「甲殻類としての異質さ」の解説
2対の触角・ニ叉型付属肢・尾叉・ノープリウス幼生期などを有することから、ムカデエビは明らかに甲殻類である。ただし甲殻類では、胴部が胸部や腹部など複数の合体節(tagma)に分かれて、部位ごとに異なった形態・機能を持つのが普通である。ところがムカデエビの胴部は胸部と腹部という機能的分化が見当たらず、甲殻類として非常に特異である。このような同規的体節制は、むしろ多足類に似通っている。胴肢が体節の両側に備わるのも、付属肢は多くが体節の下側に備わる甲殻類において例外的である。また、どの現生節足動物も体節制的に中大脳性の付属肢(第1触角と鋏角)より前に備わる付属肢は存在しないため、ムカデエビが第1触角の前に額糸という付属肢らしい構造体を持つのが甲殻類どころか、節足動物全般にしても異質である。 他方、頭楯・背板・尾叉の発達具合(カシラエビ類に類似)、ニ叉型の第1触角(軟甲類に類似)、短い第2触角とニ叉型で櫂状の胴肢(カイアシ類に類似)、多数の体節(一部の鰓脚類に類似)など、複数の甲殻類の分類群に似通う特徴を併せ持つ所も見られる。
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