生息地・流通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 08:40 UTC 版)
「チュウゴクモクズガニ」の記事における「生息地・流通」の解説
中国の長江流域を中心に、遼寧省から広東省まで、広い地域の川に分布している。また、朝鮮半島にも分布する。 最も有名な産地は、中国江蘇省蘇州市にある陽澄湖(ようちょうこ)である。江蘇省内では、洪沢湖(泗洪県など)、高宝湖(高郵市)、白馬湖(宝応県)、射陽河(興化市)などでも養殖が盛んである。上海市内では長江の中にある崇明島(崇明区)が大規模な産地として知られる。実際には、地元江蘇省の沿岸地域、崇明島で一貫して養殖する他にも、浙江省、福建省、遼寧省などの沿岸地域で産卵からメガロパ幼生になるまでの飼育を行い、それから、江蘇省の他、安徽省石臼湖、巣湖、江西省、湖南省など、長江の上流地域に移して出荷できるまでの大きさに育てられる事が多い。長江流域の方が味がいいからだという。最近では、遠く新疆ウイグル自治区にまで運んで育てた「天山雪蟹 Tiānshān xuěxiè」という商品名の物が出てきた。 陽澄湖産のものは海外でも有名であり、高値で取り引きされるため、別の産地で育ったものを、陽澄湖の養殖池の水に浸けただけなどという偽物も出回ることがある。本当に陽澄湖で育てたものには、はさみにタグを付けたり、甲羅にレーザー光線でマークを焼いたりして、区別をすることが行われている。本物の陽澄湖産は、香港や台湾などの業者から予約が入っていて、主に輸出に回されており、上海などに出回る比率はかなり低いという。上海では市内の銅川市場という所で多くが取り引きされている。崇明島から船が着く、上海市宝山区の呉淞港周辺には、崇明島産のものを扱う業者が多い。 輸送中に動き回ると、はさみで傷つけあったり足が取れたりして傷が付くため、藁や紐で十文字に縛って生きたまま売られる。 蟹券 2011年「蟹券」と呼ばれる「上海ガニの引き替えクーポン」が贈答用として贈られるようになった。贈られた側は、好きな時に新鮮な蟹を引き換えられる。ただ、配布している会社が夜逃げしたり、産地が偽装されていたり、サイズ指定のクーポンでもサイズが下回った蟹も扱われている。金券ショップで換金も可能であるため利用されているが、配布した会社が金券ショップで購入し蟹を送らず差額を得ているという話もある。
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