生体高分子と合成高分子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:36 UTC 版)
「生体高分子」の記事における「生体高分子と合成高分子」の解説
生体高分子と合成高分子の大きな違いは、その構造に見られる。すべての高分子は、モノマーと呼ばれる繰り返しの単位からできている。生体高分子は明確な構造を持っていることがよくあるが、これは明確な特徴ではない(例:リグノセルロース(英語版))。タンパク質の場合、正確な化学組成とこれらの単位が配置された順序を一次構造と呼ぶ。多くの生体高分子は、自発的に特徴的なコンパクトな形状に折りたたまれる(詳細はタンパク質フォールディングを参照。二次構造と三次構造も参照)。これらは生物学的機能を決定するものであり、一次構造に複雑に依存している。構造生物学は、生体高分子の構造的特性を研究する学問のことである。一方、合成高分子の多くは、はるかに単純でランダム(または確率的な)な構造を持っている。この事実は、生体高分子にはない分子量分布に繋がる。実際、生体内(in vivo)のほとんどのシステムでは、テンプレートに沿ったプロセスで合成が制御されているため、ある種類の生体高分子(たとえば、ある特定のタンパク質)はすべて似通っていて、同じような配列と数のモノマーを含み、同じ質量を持っている。この現象は単分散性(英語版)と呼ばれ、合成高分子の多分散性(英語版)とは対照的ある。その結果、生体高分子の多分散性指数(英語版)は1になる。
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