現代の演奏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 09:29 UTC 版)
「アルペジョーネソナタ」の記事における「現代の演奏」の解説
アルペジョーネは復元されているが、奏者が乏しくほとんど実演は行われていない。そのため、チェロやヴィオラなどを始めとして他の楽器への編曲が多く行われている。 編曲に際し苦慮される点は、チェロやヴィオラがアルペジョーネに比べて音域が狭いことである。6弦のアルペジョーネに対して上記の楽器のほとんどは4弦であり、そのためアーティキュレーションを手直ししなければならない。提示部末尾には6弦全部をピッチカートする指示があり、4弦しかないチェロやヴィオラではこの部分の忠実な再現はできない。また、アルペジョーネはフレットがつけられているため、高音域の演奏が容易であり、これも現代の奏者を悩ませている。5弦のピッコロチェロ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)ならば音域は同一になるが、フレットはない。ヴィオラを5弦にし、その5弦目をEに調弦することで、原作に近づける試みもある。 ギターやマンドロンチェロで演奏を行うことは可能だが、やはり原曲は「弓奏」であり、シューベルトの意図とは異なる。ほかの楽器で代用しても原作の触感には敵わないので、この楽曲のためだけにアルペジョーネを復元し、チェロ奏者が担当することも現代では行われている。
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