焼入れとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 22:57 UTC 版)
鋼の最も有力な硬化処理である浸炭焼入れおよび焼入れは、オーステナイト領域から急冷することにより得られるマルテンサイト変態による硬化処理であるため ・変形が大きく硬化処理後に寸法の手直しが必要 ・加熱によりマルテンサイトが分解するので、焼戻し温度よりも高温下では使用に適さない といった欠点があるが、窒化は前述の通り、変態ではなく添加元素の窒化物が分散析出することにより硬化するので ・寸法変化が焼入れに比べてきわめて少ない ・500~600℃程度の高温下でも軟化しにくい という特徴がある。しかし、浸炭焼入れ層は容易に1mm以上の硬化層を実現できるのに対し、窒化層は0.1mmレベルであるため、大きな衝撃や面圧が存在するような環境には向かない。ただし、焼入れ後に窒化したり、マルテンサイト系ステンレスに窒化すると、焼入れ、窒化単独では得られない、高硬度、高耐衝撃性を有する表面を実現できる。
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