漆とかぶれ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:07 UTC 版)
生の漆が肌につくとかぶれるが、これはウルシオールによるアレルギー反応である。ウルシオールのアレルギーを持つ人は、漆の木の近くを通過しただけでもかぶれることがある。果物のマンゴーもウルシ科の植物で、人によってはかぶれる事がある。かぶれの程度と症状は、人によって実にさまざまである。初めは漆が付着した部分のみであるが、掻いたり刺激することで徐々に蔓延し、ひどい場合には全身にまで広がる。効果のある薬剤などは今のところなく、漆に触れないことが重要である。漆職人など業務上漆を扱う必要がある者の間では、漆のかぶれには耐性が生じることが経験的に知られている。そのため、新規入門者には漆をなめさせるなどして重度のかぶれを人為的に経験させる対処法が伝統的に存在する。 漆器ではかぶれることは無いが、まれに、作られて間もない場合、かぶれる事もある。これは重合され残ったウルシオールが揮発するためである。十分に重合が進んでいれば、かぶれることはない。 漆にかぶれた場合は、ワラビの根を煎じた汁、煮た沢蟹の汁、硼酸水などを患部に塗る民間療法がある。 将棋の駒にも漆が使用されているが、将棋棋士の加藤一二三は漆アレルギーであるため、漆を使っていない駒が加藤のために用意されていた。
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