治療の概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/13 05:34 UTC 版)
神経ブロック療法を行う前には、まず痛みの場所や痛み方を問診票や、フェイススケール(笑顔から泣き顔までの数種類の顔から痛み度を患者に示してもらう。VAS(Visual Analogue Scale)とも)、電流知覚閾値検査装置(PainVision、ニューロメーター)などで痛みの度合いを客観的にみた後、それが心因性からくる痛みが疑われる場合は、更にうつ病尺度を測る検査を行う。 そして、患者と病歴などを会話しながら視診や触診をして、必要ならばMRIやCTといった画像診断を行うとか、筋電図などの診断をするとか、他科と連携して治療にあたったほうがいいかなどの検査・治療方針を患者とともに立てていく。 実際の施術では、星状神経節や硬膜外腔などに注射するためにはミリ単位の位置調整が求められるため、熟練した麻酔医が強く指で圧迫しながらそのポイントをさぐっていく。星状神経節ブロック注射の場合は首の術部が露出しているため一般的にそのまま薬剤を注射するが、硬膜外腔に硬膜外ブロック注射を行うためには奥深くに針を到達させなければならないため、あらかじめ痛み止めの注射を術部に行った後、施術を行う。 施術が終わった後は、止血と術後観察のため、しばらく安静にする。 術後、局所麻酔薬で交感神経がブロックされると、末梢の血管が拡張して血行が改善され、また知覚神経がブロックされると患部の痛みの緩和が期待できる。 ただ、多くの神経ブロック療法は、一回の施術で痛みが完治するというものではなく、ガバペンチン製剤(製品名:ガバペン)や、痛みに応じた解熱鎮痛消炎剤、抗うつ薬などを患者にあわせて投与しつつ、様子を見ながら複数回行われることが一般的である。
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