母子関係と言語とは? わかりやすく解説

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母子関係と言語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 00:26 UTC 版)

ジャック・ラカン」の記事における「母子関係と言語」の解説

ゆえに、母子関係から上記ラカン理論を、あくまでも一般的な理解のために、わかりやすくおおまかに言い換えれば次のうになる。 まず、胎児として子宮内部浮遊している状態では、人は「ママ!」という原初言葉を持つ必要がない。だから、言語活動発生しない。さらに、生まれてからも(原初の状態を象徴的にうならば乳児の口には母の乳房詰まっている。これは乳児の必要をすべて満たしているから、言葉発して何かを求める必要もないし、そもそも口に乳房詰まっているから言葉発しようもない。一方、これは、乳児にとっては全世界支配しているかのような快楽の状態である。だが、やがて口から乳房が去る。そこに欠如もしくは不在)が生まれる。欠如生まれて初めて、乳児は母を求めるなり、乳を求めるなり、「マー」などと叫びをあげる。これは言語 - より正確に言語活動(仏:langage) - の発生である。 こうした象徴的な意味での言語発生は、人間人間となるためにどうしても通らなければならない段階である。言語とは、人間自分の頭に思い描いているもの、すなわち想像的なもの(仏:l'Imaginaire)を他者共有しようとしたり、他者伝達しようとしたりするために用い象徴的なもの(仏:l'symbolique)であるから言語象徴界のものであると云える。 一方社会さまざまな人間せめぎあう場であるがゆえに、無数の掟・契約約束事などでできている。こうした掟は、象徴的な意味では言語書かれているわけである。たとえば、不文律や「黙契」といった概念ですら、人間言語を持たなければ存在しえない。また、掟を与えるのは象徴的な父である。ゆえに、上記の意味においては象徴界とは掟であり、父であり、言語であるといった図式成り立つ。

※この「母子関係と言語」の解説は、「ジャック・ラカン」の解説の一部です。
「母子関係と言語」を含む「ジャック・ラカン」の記事については、「ジャック・ラカン」の概要を参照ください。

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