歩道通行法制化の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 06:17 UTC 版)
詳細は「交通戦争」を参照 1970年改正以前の道路交通法では、自転車が歩道を通行することは認められていなかった。ただし、久保卓也警察庁交通局長は「現に今日でもこれは法律的な根拠はなくって、実際の指導上、歩道の上を自転車を通らしているところもあります」と発言している(1970年4月2日参議院地方行政委員会)。 同法の1970年改正によって、「二輪の自転車は、第十七条第一項の規定にかかわらず、公安委員会が歩道又は交通の状況により支障がないと認めて指定した区間の歩道を通行することができる」(第17条の3)として歩道通行に法的根拠が与えられた。この年には道路構造令が大幅に改正される(旧令を廃止し、新令を制定)など、法令上自転車を自動車から分離する方向が固まった。 続いて1978年改正により、主婦が買い物に使うものを念頭に「車の大きさも余り大きいものではございませんので、むしろ歩道に上げた方が安全」(杉原正警察庁交通局長・1978年4月25日衆議院地方行政委員会)との前提で、普通自転車に三輪の自転車が加えられた。 杉原局長は1978年5月9日参議院地方行政委員会で「車道に自転車を走らせると、自転車が非常に危ないがゆえに……やむを得ず歩道に上げるわけであります……」「歩道の上に自転車を上げなきゃならないというのは道路のまさに日本的な欠陥でございます。」とも発言している。 この日の同委員会で、鈴木良一警察庁交通局交通企画課長は、歩道における自転車の想定される徐行速度について「時速四、五キロぐらいのことであろうと思いますが、すぐとまれる速度」と発言している。また、道路交通執務研究会編著、野下文生原著『道路交通法解説 : 執務資料』(13-3訂版、東京法令出版、2007年)は、第63条の4第2項についての項目で「歩行者の歩速毎時四キロメートルから考えて、毎時六キロメートルから八キロメートル程度ということができよう」(655ページ)と述べており、同様の記述が警察・国土交通省などのウェブサイト上に見られる。
※この「歩道通行法制化の経緯」の解説は、「普通自転車」の解説の一部です。
「歩道通行法制化の経緯」を含む「普通自転車」の記事については、「普通自転車」の概要を参照ください。
- 歩道通行法制化の経緯のページへのリンク