検査周期延伸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 04:17 UTC 版)
JR東日本では、新系列車両の割合が増加したことや、電子機器の寿命期間を従来よりも正確に判別できるようになったこと、13 - 15年程度経年した車両に対して実施することを想定した車体保全の実施時期を、運用路線によっては10年程度で迎えてしまう車両が出てきてしまうことを受け、保全周期の見直しを計画していた。そこで2009年(平成21年)から2015年(平成27年)にかけて、テストカーを指定し、目標とする検査周期より10万キロメートル長く走行させ、検証が進められた。 テストカーの走行実績、部外の有識者の意見を踏まえ、2019年(令和元年)7月1日からE231系以降の一般形車両とE653系以降の特急形車両を対象に、下記の周期が適用されている。 指定保全:走行距離80万キロメートルを超えない期間ごとに実施 装置保全:走行距離160万キロメートルを超えない期間ごとに実施 車体保全:走行距離320万キロメートルを超えない期間ごとに実施 検査周期延伸の移行は、 新製後、(適用時期以前に)機器保全(指定保全・装置保全)を施行していない新車は、新製時点から新しい周期を適用 その他の車両は、(適用時期以降の)最初の装置保全または車体保全まで従来の周期で実施し、それ以降は新しい周期を適用 という方法で行われている。 検査周期延伸後も車両の品質を保つために、 開放型主電動機の軸受:走行距離120万キロメートルを超えない期間で主電動機回転子風穴の気吹き清掃を行い、走行距離240万キロメートルを超えない期間で軸受を交換 空気式戸閉装置:解体検査周期を車体保全から装置保全へ変更 台車枠:ブレーキテコ受溶接部、主電動機受溶接部の改修対象台車枠は、当該箇所の溶接部の探傷検査を走行距離160万キロメートルを超えない周期で実施 上記のように、電車整備標準(規程)及び台車枠検査マニュアルが一部変更されている。
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