日本の鉄道車両検査とは? わかりやすく解説

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日本の鉄道車両検査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 16:04 UTC 版)

日本の鉄道車両検査(にほんのてつどうしゃりょうけんさ)では、日本鉄道事業者が運行する鉄道車両の運行中の事故・故障等を未然に防ぐために実施する検査(点検・整備)について説明する。


注釈

  1. ^ リニューアルのような大規模なものから小部品の設置・撤去など、内容は様々である。
  2. ^ JR東海N700A系N700系は、2015年(平成27年)3月23日より「45日又は走行距離6万キロメートル」に規程を改定、2020年現在ではJR西日本のN700A系でも「45日又は走行距離6万キロメートル」を基準に検査を行うほか、JR西日本W7系では「30日又は走行距離6万キロメートル」を基準に検査を行う データで見るJR西日本2020 - 西日本旅客鉄道 p.118
  3. ^ a b c 特殊車とは、雪かき車、軌道試験車、レール運搬車などの特殊な目的のための使用される専用車両のこと[18]
  4. ^ 台枠ボイラの本格的な整備・修繕が必要な場合は半年程見積もられる他、修繕に多大な時間を要する場合はそれ以上が見込まれる
  5. ^ あくまでも延期であるため、使用を再開する際には検査を実施する必要がある。
  6. ^ 製造費用からメンテナンス費用、電力消費量、動力費など製造から廃車になるまでに車両に掛かる費用のこと。
  7. ^ 90日以内に実施
  8. ^ E653系(両数不明)、E257系(両数不明)、E231系(160両)、E233系(50両)、E531系(40両)、E721系(6両)
  9. ^ 初期の新系列車両(209系、E217系、E501系、E127系、255系、701系、205系5000番台)と、新動力車(ハイブリッド気動車、電気式気動車等)は対象外。
  10. ^ 適用時期後に指定保全を行っても、次回の装置保全または車体保全までは新しい周期が適用されない。このため移行過程において、装置保全の次に(指定保全を挟まず)車体保全を行う場合、また逆に車体保全の次に装置保全を行う場合もある。
  11. ^ 2018年6月1日時点ではA保全/B保全とC保全のみ実施し、装置保全・車体保全はそのまま。
  12. ^ モニタ装置、WiMAX装置、パンタグラフ、マスコン、VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ制御装置、滑走防止弁装置、コンプレッサー、調圧器、ドア、戸閉保安装置、放送装置、保安装置、空調装置、蓄電池装置、標識灯

出典

  1. ^ 鉄道に関する技術上の基準を定める省令、最終改正:平成二四年七月二日国土交通省令第六九号”. 総務省の「法令データ提供システム」より検索. 国土交通省、総務省行政管理局. 2015年2月8日閲覧。
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  6. ^ a b 井上 2012, p. 43.
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  24. ^ https://doro-chiba.org/nikkan/post_188/
  25. ^ a b c d e f g h i j k l m n 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLING STOCK & MACHINERY」2002年10月号メンテナンス「JR東日本の新しい車両保全体系(新保全体系)の概要」17-18頁記事。
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  28. ^ a b c d e f g h 日本鉄道車両機械技術協会「ROLLING STOCK & MACHINERY」2002年10月号メンテナンス「JR東日本の新しい車両保全体系(新保全体系)の概要」19-20頁記事。
  29. ^ 国鉄千葉動力車労働組合 (2021年9月2日) "JR東日本は仕業検査有効期間の見直し提案を撤回しろ!"
  30. ^ 日本鉄道技術協会「JREA」2011年10月号「JR東日本の車両保全体系の更なる最適化の取り組み」
  31. ^ a b 東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2019年6月26日). “業務部速報 No.9” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合. p. 1. 2020年10月1日閲覧。 “・テストカーは、特急型の車両ではE653系、E257系。通勤近郊ではE231系、E233系、E531系、ローカル線ではE721系である。 ・主電動機(開放型)の気吹き清掃を行うという判断に至ったのは、テストカーを走らせて、主電動機の軸受に使っているグリス分析を行った際に、一部管理基準値を超過したものが見つかり、最終的には回転子風穴の気吹きを行うとした。 ・研究開発センターで今の主電動機を密閉式に置き換える研究を行っている。まもなく現車試験で行う。実用化出来れば、気吹き清掃はなくせると考えている。実用の目途は数年以上かかる。”
  32. ^ a b c d 国鉄千葉動力車労働組合 (2019年8月1日). “検査周期延伸に関してJR東と団交 検修業務の将来展望について追及!”. 国鉄千葉動力車労働組合. 2020年9月28日閲覧。 “会社 運行している列車からテストカーを指定し、データをとり、各保全検査で周期を延伸しても問題がないかを検証した上で、部外の有識者の意見を踏まえ今回の延伸とした。 組合 テストカーの期間及び車種、編成数は。 会社 09年から15年まで行った。  231系 2600両の内、160両  233系 1200両の内、50両  531系 300両の内、40両、  721系 80両の内、6両 組合 テストカーの走行距離は。 会社 今回の周期延伸に踏まえ、プラス10万kmとし、指定保全で言えば80万km+10万kmまで走行し、検証した。 組合 対象車両が一巡するまでの期間は。 会社 5~6年かかると見ている。 会社 235系でやっているモニタリング保全体系という定期検査の検査メニューから除き、全部、状態監視に置き換えているものもある。 組合 235系は、既存の機能保全(月、年)の対象から外れているのか。 会社 検査としては実施する。機能保全の最後の総合検査で運転台でハンドルを扱い、ブレーキ圧等を確認する。しかし、山手線では、運転士が扱えばリアルタイムで送信され、エラーが出ればアラートが鳴る。このアラートが鳴らない限り何もしない。90日に1回、基地に戻り、乗務員の扱いで見られない外観検査を検修社員が行っている。 組合 行うのは、消耗品交換程度か。 会社 それは残ってくる。”
  33. ^ a b 東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2019年5月13日). “業務部速報 No.91” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合 横浜地方本部. p. 1. 2020年9月28日閲覧。 “・対象車両は、特急ではE653系、通勤・近郊形ではE231系以降の新系列車両とする。 ※205系-5000代,209系,217系,E501系,E127系,255系,701系は対象外 ※新動力車(ハイブリッド等)は対象外 ・E235系で行なっている、モニタリングC保全も同様に扱う。”
  34. ^ 東日本旅客鉄道労働組合 (2019年7月20日). “緑の風699号”. 東日本旅客鉄道労働組合. p. 2. 2020年9月28日閲覧。 “労使の議論を経て7月1日から実施されています。 ●研究開発センターで今の主電動機を密閉式に置き換える研究を行っている。まもなく現車試験を行う。実用化出来れば、気吹き清掃は無くせると考えている。実用化の目途は数年後になる。”
  35. ^ 東日本旅客鉄道 (2019年5月). “在来線電車の保全体系の見直しについて(電車の検査周期延伸)” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. p. 2. 2020年9月28日閲覧。 “4.検査周期延伸の移行方法  現行検査周期から新しい検査周期に移行するために、適用時期以降に装置保全又は車体保全を施行した車両から次回の検査周期を延伸して周期の変更を明確にします。  ただし、新製後に機器保全(指定保全・装置保全)を施行していない新車については、新製から検査周期の延伸を適用します。”
  36. ^ 国鉄労働組合東日本本部 (2019年5月15日). “業務連絡報 第1442号” (PDF). 国鉄労働組合東日本本部. p. 5. 2020年9月28日閲覧。 “【主電動機(開放型)の軸受】 120万㎞を変えて使用する場合は、60万㎞から120万㎞を超えない期間で主電動機回転子風穴の気吹き清掃を行い、240万kmを超えない期間で軸受を交換 【空気式戸閉装置】 解体検査周期を車体保全から装置保全へ変更 【台車枠】 ブレーキテコ受溶接部、主電動機受溶接部の改修対象台車枠は、当該箇所の溶接部の探傷検査を160万kmを超えない周期で実施”
  37. ^ “[https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_23/Tech-23-28-31.pdf R&Dシンポジウム 社内講演 メンテナンスの革新 ~Time BasedからCondition Basedへ~]” (PDF). JR EAST Technical Review No.23 - SPRING.2008. 東日本旅客鉄道. pp. 1,4 (2008年). 2020年9月28日閲覧。 “国内人口の減少により、メンテナンスに従事する人数が減少するため、メンテナンスの必要量を削減させる必要があります。 実現には、情報技術など汎用技術の進歩に期待するところが大きい”
  38. ^ a b c d e 東日本旅客鉄道 (2018年3月). “在来線におけるモニタリング保全体系への移行について” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. p. 1. 2020年9月28日閲覧。 “1.実施時期 平成30年6月1日~ 2.対象形式 E235系以降の状態監視に対応した車両 3.実施内容 従来の定期検査で実施してきた機器の状態及び機能の確認の一部を「運転中の機能確認」に置き換える。 *「状態監視データの分析に基づく寿命予測」については、現在その方法を検討しているところであり、方法が確立次第移行する。”
  39. ^ a b c d e f 東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2018年5月29日). “業務部速報 No.97、No.98” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合. pp. 1-2. 2020年9月28日閲覧。 “組合 「運用中の機能確認」について対象となる17機器を明らかにすること。 会社 対象の機器は、モニタ装置、WiMAX装置、パンタグラフ、マスコン、VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ制御装置、滑走防止弁装置、コンプレッサー、調圧器、ドア、戸閉保安装置、放送装置、保安装置、空調装置、蓄電池装置、標識灯の17機器となる。E235系は17機器で700項目 6000点。 組合 「状態監視」の対象となる車両形式は何か?拡大する予定はあるか?今後、対象の拡大についてはどうか? 会社 現在はE235系のみ。E353、GV-E400、E7はデータを蓄えているが地上に送れない。 組合 今後は装置保全・車体保全に関してもモニタリング体系に移行するのか。 会社 寿命予測が大きく関連しているので、まだ移行していくわけではないが実現したい。 組合 今後新幹線にも導入していくのか。 会社 現行はE7がデータを車上にためている。将来的には機器の寿命予測など取り組んでいく考えである。”
  40. ^ a b c d 国鉄労働組合 東日本本部 (2018年3月30日). “業務連絡報 第1368号” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. pp. 1-2. 2020年9月28日閲覧。 “(1)機能保全 A保全【90日以内】:機能保全(月)検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査 B保全【360日以内】:機能保全(年)検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査 (2)機器保全 C保全【60万㎞以内】:指定保全の検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査 装置保全【120万㎞以内】:従来と同様 (3)車体保全 :従来と同様 *車体保全、装置保全、C保全、B保全、A保全の順に上位検査とする。”
  41. ^ a b c d 日本鉄道車両機械技術協会『ROLLINGSTOCK&MACHINERY』2018年11月号今月のトピック「車両メンテナンスのシステムチェンジ」pp.50 - 52。
  42. ^ データで見るJR西日本2021:車両(PDF) - JR西日本HP (データで見るJR西日本)
  43. ^ a b c データで見るJR西日本2018:車両(PDF) - JR西日本HP (データで見るJR西日本)





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