栽培化まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 05:34 UTC 版)
原産は小アジアからコーカサスあたりと考えられている。小麦や大麦の原産地よりは、やや北の地域である。 栽培化の起源は、次のように考えられている。もともとコムギ畑の雑草であったものが、コムギに似た姿の個体が除草を免れ、そこから繁殖した個体の中から、さらにコムギに似た個体が除草を逃れ、といったことが繰り返され、よりコムギに似た姿へと進化(意図しない人為選択)した。さらに環境の劣悪な畑では、コムギが絶えてライムギが残り、穀物として利用されるようになったというものである。 同じような経緯で栽培作物となったエンバクとともに、本来の作物の栽培の過程で栽培化されるようになった植物として「二次作物」と呼ばれる。コムギ畑における強勢雑草であり、コムギの生育条件の悪い畑では、コムギを押しのけてライムギのほうが主となっている畑がみられる。 本来の野生種ライムギは種子が脱落するタイプのみであったが、コムギ畑の雑草化した時点で半脱落性化し、さらに栽培化の過程で他の穀物と同様に非脱落性を獲得し、これによって穀物としての有用性は急上昇した。ライムギが栽培化されたのは、紀元前3000年頃の北ヨーロッパと考えられている。
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