東アジアにおける「民族」の語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 19:53 UTC 版)
「民族」の記事における「東アジアにおける「民族」の語源」の解説
西川長夫によると「民族」という熟語は、明治期に日本で鋳造された和製漢語で、明治期はそれまでもっと一般的な熟語であった「氏族」・「種族」といったことばを、洋書翻訳の際あまり繰り返さないようにするための虚弱な役割しかなかったが、1930年代以降、日本の社会学者によって ethnicity/ people/folk/nation/kinship/race 等の西洋の各概念がパッチワーク・ごった煮されたうえで、ナショナリズムで味付けされて強化されたキメラである 。 中国の古典では、ほとんど「民族」という語は登場しないが、ごくまれに一定のグループをなす人々の共同体を指す例があり、こうした例を主に中国の和製漢語説否定論者が珍重している。[例:郝時遠《中文“民族”一詞源流考弁》,《民族研究》2004 年第 6期 /如瑩《漢語"民族"一詞在我国的最早出現》,《世界民族》2001 年第 6 期] 。例えば、6世紀の前半に成立した『南斉書』列伝三十五の「高逸伝・顧歓伝」中の 「今諸華士女、民族弗革、而露首偏踞、濫用夷禮」(民族を氏族とする写本もある) という記述をあげることができる。なおこの記事は、士大夫やその子女までも中国の北朝の異民族の風俗(夷礼)に染まっていると述べている部分である。
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