有限位数の存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/30 22:19 UTC 版)
既に説明したように、各素数冪 pn に対して同位数の射影平面が存在する。事実として、「知られている」全ての有限射影平面はその位数が素数冪である。 それ以外の位数についても有限射影平面が存在するかどうかというのは、未解決の問題である。位数に関する一般的な制限として知られているのは、位数 N が法 4 に関して 1 または 2 と合同ならば、それは二つの平方数の和にならなければいけないというブルック=ライザー=チョウラの定理である。これにより N = 6 が除外できる。次の場合は N = 10 が、大規模計算機の計算により除外された。それ以上の場合については知られていない(特に N = 12 も未解決である)。 位数 N の射影平面が存在するための必要十分条件は、位数 N のアフィン平面が存在することである。位数 N のアフィン平面がただ一つ存在するならば、位数 N の射影平面もただ一つ存在するが、逆は必ずしも真でない。 位数 N の射影平面はスタイナーの S(2, N + 1, N2 + N + 1)-系である(スタイナー系参照)。逆に N ≥ 2 に対するこの形のスタイナー系が射影平面となることが証明できる。 位数 N の互いに直交するラテン方格の総数は高々 N − 1 である。これが N − 1 となりうる必要十分条件は、その位数の射影平面が存在することである。 一方、射影平面の分類は全然終わっていない。いくつかの結果を位数の順に以下に示す。 2 : 全て PG(2,2) に同型 3 : 全て PG(2,3) に同型 4 : 全て PG(2,4) に同型 5 : 全て PG(2,5) に同型 6 : この位数の射影平面は存在しない(オイラーの士官36人の問題(英語版)として、タリーにより示された)。 7 : 全て PG(2,7) に同型 8 : 全て PG(2,8) に同型 9 : PG(2,9) および三種類の異なる(同型でない)非デザルグ平面 10 : この位数の射影平面は存在しない(計算機による膨大な計算の結果として証明された)。 11 : すくなくとも PG(2,11) が挙げられる。他は知られていないが可能性はある。 12 : この位数の射影平面は存在しないと予想されているが証明はされていない。
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