明治節唱歌
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1928年(昭和3年)10月2日、小学校の儀式用唱歌に明治節の唱歌が追加された。毎年明治節当日の小学校の儀式で声高らかに歌われた。唱歌のタイトルは「明治節唱歌」、または単に「明治節」である。著作権は文部省に帰属する。作詞作曲の事情については#明治節唱歌の選定の節を参照。 明治節唱歌の歌詞と楽譜は次の通りである。 明治節唱歌 一、 亜細亜(アジヤ)の東(ひがし) 日(ひ)出(い)づる処(ところ) 聖(ひじり)の君(きみ)の現(あらは)れまして 古(ふる)き天地(あめつち)とざせる霧(きり)を 大御光(おほみひかり)に隈(くま)なくはらひ 教(をしへ)あまねく道(みち)明(あき)らけく 治(をさ)めたまへる御代(みよ)尊(たふと) 二、 恵(めぐみ)の波(なみ)は八洲(やしま)に余(あま)り 御稜威(みいつ)の風(かぜ)は海原(うなばら)越えて 神(かみ)の依(よ)せさる御業(みわざ)を弘(ひろ)め 民(たみ)の栄(さか)行(ゆ)く力(ちから)を展(の)ばし 外(と)つ国々(くにぐに)の史(ふみ)にも著(しる)く 留(とど)めたまへる御名(みな)畏(かしこ) 三、 秋(あき)の空(そら)すみ菊(きく)の香(か)高(たか)き 今日(けふ)のよき日(ひ)を皆(みな)ことほぎて 定(さだ)めましける御憲(みのり)を崇(あが)め 諭(さと)しましける詔勅(みこと)を守(まも)り 代々木(よよぎ)の森(もり)の代々(よよ)長(とこし)へに 仰(あふ)ぎまつらん 大帝(おほみかど) 歌詞中「依させる」は「任せ給える」の意味。「御憲」は国法。「詔勅」は「みことのり」で、たびたび下された勅語全部を意味するが、特に学校では教育勅語、軍隊では軍人勅諭、あるいは戊申詔書を指すものと解される。 第1節と第2節は明治天皇の事蹟をたたえ、第3節は国民の覚悟を述べている。儀式用唱歌に相応しくできているが、余りに長すぎるし、歌曲の程度も易しくないため、小学児童に教えるときには細心の注意を要するといわれた。
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