日常型レジャー
「景気が低迷する中、余暇活動は家庭や近場での『日常型レジャー』にシフト」-7月末に日本生産性本部が発表した「レジャー白書2009」は、最近の国民のレジャー傾向をこう指摘しました。
レジャーというと、皆さんは何を思い浮かべますか。海外旅行や温泉・遊園地などへの行楽、野球観戦、映画鑑賞、ピクニック…と、人さまざまでしょう。日本生産性本部は、こうした国民のレジャー実態を1977年から調査し、「レジャー白書」として毎年発表しています。
今年の白書によると、2008年の余暇市場(国民がレジャーのために使った費用の総額)は72兆8760億円(前年比2.4%減)となりました。レジャー活動は「2008年前半は好調だったものの、秋以降の景気悪化で急速に落ち込んだ」としています。レジャーの代表例といえる旅行は、昨夏の燃油サーチャージ高騰による影響で海外旅行が減り、国内観光旅行が増えましたが、支出や宿泊数は伸び悩みました。その反面、家庭や近場で繰り返し楽しめる『日常型レジャー』の伸びが顕著だったそうです。
外食、パソコンでのネットサーフィンや家庭用ゲーム機器を使ったゲーム、カラオケ、ビデオ鑑賞(レンタル含む)、CDなどでの音楽鑑賞といった自宅や近隣で過ごすことができるレジャーが増えました。こうした日常型レジャー化の波に乗り、ゲーム機器・ソフトの任天堂は09年3月期決算で売上高・純利益が過去最高となりましたし、レンタル用DVDソフトの08年の売上枚数は前年に比べて10%以上伸びています(日本映像ソフト協会調べ)。
09年のレジャー動向も同様の傾向となりそうです。新型インフルエンザの影響で、とくに海外旅行は厳しそうです。日本政府観光局によると、1-6月の出国日本人数は720万人と前年同期に比べ9.1%減っています。旅行に振り向けられていた支出は他のレジャー、とくに『日常型レジャー』へ向かう可能性が高いと思われます。
余暇市場は96年の90兆9070億円をピークに減少傾向にあります。レジャー白書は、レジャー産業の今後の需要開拓戦略について「不況でもブレない強固なファン、リピーターを構築」することと「新たなフロンティア開拓をめざす新規顧客開拓」が大切としています。さらにレジャー産業の本質である「楽しさ」「エンターテインメント性」の普及を通じて、国民の生活の質を高度化し、内需拡大に貢献していくことが、ポスト不況を見越した将来につながると指摘しています。
レジャー産業の活況はイコール国民生活の活況です。景気が回復し、余暇市場が再び上向くことが期待されます。
(掲載日:2009/08/24)
レジャーというと、皆さんは何を思い浮かべますか。海外旅行や温泉・遊園地などへの行楽、野球観戦、映画鑑賞、ピクニック…と、人さまざまでしょう。日本生産性本部は、こうした国民のレジャー実態を1977年から調査し、「レジャー白書」として毎年発表しています。
今年の白書によると、2008年の余暇市場(国民がレジャーのために使った費用の総額)は72兆8760億円(前年比2.4%減)となりました。レジャー活動は「2008年前半は好調だったものの、秋以降の景気悪化で急速に落ち込んだ」としています。レジャーの代表例といえる旅行は、昨夏の燃油サーチャージ高騰による影響で海外旅行が減り、国内観光旅行が増えましたが、支出や宿泊数は伸び悩みました。その反面、家庭や近場で繰り返し楽しめる『日常型レジャー』の伸びが顕著だったそうです。
外食、パソコンでのネットサーフィンや家庭用ゲーム機器を使ったゲーム、カラオケ、ビデオ鑑賞(レンタル含む)、CDなどでの音楽鑑賞といった自宅や近隣で過ごすことができるレジャーが増えました。こうした日常型レジャー化の波に乗り、ゲーム機器・ソフトの任天堂は09年3月期決算で売上高・純利益が過去最高となりましたし、レンタル用DVDソフトの08年の売上枚数は前年に比べて10%以上伸びています(日本映像ソフト協会調べ)。
09年のレジャー動向も同様の傾向となりそうです。新型インフルエンザの影響で、とくに海外旅行は厳しそうです。日本政府観光局によると、1-6月の出国日本人数は720万人と前年同期に比べ9.1%減っています。旅行に振り向けられていた支出は他のレジャー、とくに『日常型レジャー』へ向かう可能性が高いと思われます。
余暇市場は96年の90兆9070億円をピークに減少傾向にあります。レジャー白書は、レジャー産業の今後の需要開拓戦略について「不況でもブレない強固なファン、リピーターを構築」することと「新たなフロンティア開拓をめざす新規顧客開拓」が大切としています。さらにレジャー産業の本質である「楽しさ」「エンターテインメント性」の普及を通じて、国民の生活の質を高度化し、内需拡大に貢献していくことが、ポスト不況を見越した将来につながると指摘しています。
レジャー産業の活況はイコール国民生活の活況です。景気が回復し、余暇市場が再び上向くことが期待されます。
(掲載日:2009/08/24)
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