既存データの捜索
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 14:00 UTC 版)
「プラネット・ナイン」の記事における「既存データの捜索」の解説
バティギンとブラウンによる星表の捜索では、プラネット・ナインに予想される軌道に沿った空の大部分には写っていないことが既に分かっている。残されている領域は、これまでのサーベイでは暗すぎて写らないであろう遠日点の方向と、多数の恒星との識別が困難な銀河系の銀河面に近い方向である。彼らが捜索に用いた過去の観測データは、19等までの天体を観測したカタリナ・スカイサーベイ、21.5等までのパンスターズ、および広域赤外線探査衛星による赤外線観測データである。 その他にも既存の観測データの捜索を行っている研究者がいる。Dark Energy Survey (DES) で用いられたカメラの開発を手伝った David Gerdes は、DES の一環として撮影された画像の一つにプラネット・ナインが写っている可能性があることを主張した。その場合、2014 UZ224 のような遠方なる太陽系内の天体を同定したソフトウェアを用いてプラネット・ナインを発見できる可能性がある。 カリフォルニア大学バークレー校の大学院生である Michael Medford と Danny Goldstein は、異なる時期に撮影された複数の画像を組み合わせる技術を用いて過去のデータの調査を行った。スーパーコンピュータを用いて計算されたプラネット・ナインの動きに合わせて画像をずらし、移動する暗い天体の多数の暗い画像を組み合わせることで明るい画像を作成することが可能となる。 また、WISE と NEOWISE で取得された複数のデータを組み合わせた捜索ではプラネット・ナインは検出されなかった。この捜索は銀河面から離れた領域の W1 波長(WISE が使用した 3.4 µm の波長)での観測が行われており、800〜900 au までの距離にある10地球質量の天体を検出する能力があると推定されている。
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