敵に塩を送るとは? わかりやすく解説

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敵に塩を送る

読み方:てきにしおをおくる

苦境にある敵を助けること、敵の窮地つけこむではなく窮状から救うことを意味する表現

敵(てき)に塩(しお)を送(おく)る

読み方:てきにしおをおくる

戦国時代上杉謙信が、敵将武田信玄領国甲斐が塩の不足に苦しんでいるのを知り、塩を送らせた故事から》敵の弱みにつけこまず、逆にその苦境から救う。


敵に塩を送る

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/07 05:01 UTC 版)

本町通り (松本市)にある牛つなぎ石。塩を送った際に牛をつないだとされる。

敵に塩を送る(てきにしおをおくる)とは、日本の中世故事にもとづくとされることわざで、「苦境にある敵をあえて助ける」「目前の得失より長期的な利・理を求める」などの解釈がある。ただし、もとになったとされる故事は、史実とは見なされていない。

概要

内陸国に領地を持つ武田信玄は、同盟国の駿河国静岡県)から食塩魚介類を輸入していた。ところが1567年永禄10年)、東海方面への進出を企てた信玄は13年間に及ぶ駿河国の今川氏との甲相駿三国同盟を破棄し、これを受けた今川氏真は自国に加え縁戚関係にあった相模国神奈川県)の北条氏康の協力を仰ぎ、武田領内への塩留(塩止め)すなわち食塩の禁輸政策をとった。これにより、信玄の領民は生活が困窮し、健康被害が懸念される事態となった。

そしてこれを見た越後国新潟県)の上杉謙信が、敵対していた武田の領民の苦難を救うべく日本海側の食塩を送った、という伝説から「敵に塩を送る」ということわざが生まれた、とされている。

しかし、文献に初めてこれらの話が現れるのは100年以上のちの『謙信公御年譜(1683年編纂、1696年上梓)だが、同文献は脚色が多く、信憑性が疑われている[1]。実際には、260年後に頼山陽が『日本外史』(1827年)でこの故事を美談として取り上げたことから日本国内で広まったとされる[1]

現在の研究で当時の書簡類に「上杉方が塩を送った/売った」あるいは「武田方が受け取った/買った」という記録は見つかっていない。 このため「故事は後世の創作」が現在では通説である[1]

一部の研究家によって「謙信は便乗値上げを禁じ、正価での流通を維持させた」という政策的解釈も唱えられている[2]ほか、「駿河方面からの塩が入ってこなくなった代わりに、民間では糸魚川街道ルートでの塩の輸入が増えたため、これを"謙信からの贈り物"扱いした」という説もあるが[3]、いずれも肯定も否定も難しい。

脚注

関連項目

外部リンク


敵に塩を送る

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 16:02 UTC 版)

塩の道 (日本)」の記事における「敵に塩を送る」の解説

「敵に塩を送る」は、敵の弱みにつけこまずに、逆にその苦境から相手を救うという意味で使われる故事成語である。戦国時代戦いで駿河今川氏相模後北条氏は、海側から塩の道絶って武田信玄領地である甲斐信濃への塩の流通止める兵糧攻め作戦出た甲斐信濃で塩が不足して苦しんでいることを知った越後の上謙信が「武士道反する」として、敵対する武田氏領国に塩を送ったとされる故事が有名で、その塩が運ばれたのが千国街道であると言われることがある長野県松本市中心商店街ではこの故事にちなみ毎年1月に「塩市」から変節した「あめ市」(塩の貴重性失われた後に貴重品であった砂糖使用した飴の市に変節)が伝統行事として開催され武田方と上杉方による塩取り合戦(綱引き)などが行われ大勢見物客にぎわい見せる。しかし当時資料からは、塩止め荷留)をしたという事実はないと考えられ後世作られ美談とされている。

※この「敵に塩を送る」の解説は、「塩の道 (日本)」の解説の一部です。
「敵に塩を送る」を含む「塩の道 (日本)」の記事については、「塩の道 (日本)」の概要を参照ください。

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「敵に塩を送る」の例文・使い方・用例・文例

  • 敵に塩を送る。
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