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悉皆調査(全数調査)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:51 UTC 版)
「全国学力・学習状況調査」の記事における「悉皆調査(全数調査)」の解説
悉皆調査は一見、抽出調査より公平性があり得られる情報の精度が高く感じられるが、弊害が大きく、かえって情報の精度が低くなることが報告されている。特に全国学力調査では、自治体や学校の平均正答率を求められるため、関係者に不正を行う誘引が働く。例えば、東京都足立区のある区立小学校では2006年に実施された区の学力調査で、情緒障害のある児童3人の採点を無断に外したことが発覚した。また、各自治体では、全国学力調査の実施前に調査対策が行われるようになり、教員・児童・生徒の負担が大きくなるだけでなく、調査の公平性を損なっていることが指摘されている。 悉皆調査を行う際、問題の漏洩を防ぐため、同一受験日一斉実施を行う必要がある。実施に伴う負担が大きいことも指摘されている。また、採点・集計に時間がかかり、結果が5ヵ月後の9月に公開されることから、自治体の教育方針をすぐに反映できないという問題点がある。結果の分析、対策を立てたところで被試験者の卒業まで残り半年であり、調査を活かせないのではないかという指摘もある。
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