思想文化安全保障
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 16:42 UTC 版)
思想・文化の安全保障とは、統治原理・文化・思想・宗教・国民性などの思想的・文化的な国家の基幹的な要素を守ることである。選挙などを通じて大衆の政治への関係が大きくなれば、その行動や世論が政治的影響力を持つようになる。また同時に交通や通信が高速化、密接化が増大すれば国外の思想や文化が流入するようになる。そうすれば、これらを活用して宣伝・広報などを通じて世論を外部から間接的に誘導することが可能となる。例えば、マスコミを通じてその国の正統性を主張することによって、国際社会に対して好意的な印象を形成するなどが考えられる。宣伝を行う場合、あからさまな偽情報を流せば宣伝者の信頼性を減退させる。故に宣伝活動で流される情報は露骨な宣伝ではなく、さり気なく、かつ継続的・戦略的な大衆宣伝となる。ただし、近年は宣伝に客観性が求められるようになっており、広報との差異は曖昧になりつつある。ジョセフ・ナイは冷戦後の国際関係における問題として「脅威の種類と程度の曖昧性」にあると指摘している。
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