復元田の施肥量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/08 00:20 UTC 版)
転換畑を復元した水田では、土壌の乾燥や下層土まで酸化層が拡大することにより、土壌窒素の無機化量が増加したり水稲の根の養分吸収力が高まりやすい。その ため、ほ場来歴を考慮した肥培管理を行わないと倒伏、収量の低下、品質低下とな る場合がある。水稲の窒素吸収量は、復元1~2年目では連作水田に比べ増加し、 復元3年目以降は連作水田とほぼ同等になる。土壌窒素供給量は復元2年目頃まで 多くなるので、基肥窒素量は減肥し、生育の推移をみながら、生育や葉色の診断に 基づき追肥時期や量を決める。また、作付け品種は、耐倒伏性の強いものを選択する。復元田でも畑期間の残存肥料に由来する可給態リン酸が多い場合は、一律増施 を改め、土壌診断基準に基づいて施肥する。また、カリについても同様である。 基盤整備後の大区画ほ場では地力ムラが生じやすい。そのため、土壌窒素無機化 量が多い場所では過繁茂による倒伏が発生しやすく玄米窒素濃度の増加等で品質が 低下する。また、土壌窒素無機化量が少ない場所では生育不足で収量が低下する。 このため、ほ場の状態をよく観察し、地力ムラに対応した栽培管理に努める必要が ある。土壌窒素無機化量は、整備前より増加するので、基肥を減らし、生育状況を 見ながら追肥で調節する。また、土壌診断により、リン酸やケイ酸などの土づくり 肥料を施肥し土づくりに努める。
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