弦楽三重奏のための《ミニアチュール》
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「ロマンティックな小品 (ドヴォルザーク)」の記事における「弦楽三重奏のための《ミニアチュール》」の解説
もともと無題の曲集であったが、ドヴォルザークは前記の手紙の中で、この曲集を《ミニアチュール》と呼んでいる。クルイスが各楽章に以下のような題名を付けているが、どうやら作曲者自身の同意を得ていたようである。 「カヴァティーナ」 モデラート、変ロ長調、4/4拍子 「奇想曲」 ポコ・アレグロ、ニ短調、2/4拍子 「ロマンス」 アレグロ、変ロ長調、4/4拍子 「悲歌(バラード)」 ラルゲット、ロ短調、 9/8拍子 全曲を通して演奏するのに約14分を要する。 ドヴォルザークは、明らかにロベルト・シューマンに感化されて、それぞれ異なる曲調の、互いに関連性のない楽曲からなる性格的小品集を完成させたらしい。ドヴォルザークは恐らくもう1曲作るつもりでいたようだが、わずか8小節しか現存しておらず、未完成のまま遺された。このため《ミニアチュール》は、かなり異例なことに、緩徐な楽章によって全体が締め括られている。 第1曲は、第1ヴァイオリンの穏やかな雰囲気のうちに始まる。ようやく中間部になって、より情熱的な表現が見られる。ヴィオラの「低音域」による伴奏と、同じく伴奏楽器である第2ヴァイオリンのオスティナート音型が第1曲を支えている。 第2曲は、より楽天的な調子で書かれており、単純な和声の変奏を伴っている。民族音楽の名残りを感じさせるところが随所に見られ、とりわけ最後の部分がそうである。 第3曲の気分は夢見心地である。第1ヴァイオリンの旋律線は、第2ヴァイオリンのトリルに伴奏されている。 終曲は最も手が込んでおり、哀調を帯びた雰囲気は曲頭の短いパッセージから繰り出されていく。
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