少女漫画誌時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 09:28 UTC 版)
「高橋美由紀 (漫画家)」の記事における「少女漫画誌時代」の解説
その頃、朝日ソノラマが出版した『月刊ハロウィン』誌を皮切りに、ホラー誌ブームが起きており、さまざまな出版社から多くのホラー漫画誌が刊行されていた。 初期アシスタントチーフであり漫画家として独立していた一丸正信からの紹介で、マガジンボックス社から不定期刊行されていたホラー系少女漫画誌『パンドラ』へ短編作品「闇よりの」を執筆することとなる。マガジン出身であることから、いきなり2色カラーでの依頼となった。後に『天を見つめて地の底で』のコミックスに収録されている。 これが好評につき引き続き短編作品の依頼を受け制作されたのが『天を見つめて地の底で』第1話である。それがさらに好評を得たことで『パンドラ』誌唯一の連載作品として掲載されることとなり、同誌の売り上げも右肩上がりとなったため、不定期刊行だった『パンドラ』誌は完全な月刊誌としての地位を確立することとなった。 『天を見つめて地の底で』は、コミックス化を望む声が多かった。しかし、マガジンボックス社には単行本レーベルが存在しなかったため、急遽総集編形式で1冊にまとめたムックが出版されるに至った。 その連載中に、新創刊されて間もなかった秋田書店初のホラー系少女漫画誌『サスペリア』からの依頼に応じて執筆したのが『悪魔の黙示録』である。 当初「3話だけやりましょう」というスタートだったが、第1話目から好評価を受け結果的に約16年もの長期連載作品になった。『天を見つめて地の底で』『悪魔の黙示録』の2作品の毎月同時連載を順調にこなしていた頃、秋田書店・ひとみ編集部から執筆依頼を受けスタートしたのが『牙の血族』と、後に『夢幻奇談』シリーズとしてコミックス化された「短編読み切り作品」である。両作品を交互に隔月連載することとなり月産100ページを超えることもしばしばであり、一層多忙な毎日となった。この頃の作画スピードで、50ページ真っ白な状態から17時間で完成させたという記録を持っている。『ひとみ』誌が休刊し『牙の血族』は未完のまま連載を終えた。その直後、同じく秋田書店・ボニータ編集部からの依頼を受け執筆したのが『エル』である。それから暫くして、『パンドラ』誌休刊にともない連載を終えていた『天を見つめて地の底で』の復活連載を、秋田書店・サスペリア編集部から新創刊誌『学園ミステリー』での掲載誌を熱望された。本来、他社での掲載作品を移籍させる時は流通の関係などからタイトルの変更が条件となるが、当時の同誌編集長の英断により、タイトルそのままでの連載を再開するという極めて異例の移籍連載がスタートした。 『悪魔の黙示録』『天を見つめて地の底で』『エル』の3作品を連載していた頃、ボニータ増刊号『ボニータspecial』誌から新作読み切り作品の依頼を受ける。これに対し、作者が「格好良い女性を描きたい」と長年構想を温めていた『9番目のムサシ』を執筆して好評価を得たため、直後に秋田書店から新創刊された月刊少女漫画誌『きらら16(セーズ)』への移籍連載が決まった。同誌が休刊となった後は『ミステリーボニータ』誌に移籍して完結となった。『ミステリーボニータ』誌にて、第2シリーズ『9番目のムサシ ミッション・ブルー』、第3シリーズ『9番目のムサシ レッド スクランブル』、第4シリーズ『9番目のムサシ サイレントブラック』を連載した。その後、同誌は2020年(令和2年)2月号から『9番目のムサシ Ghost & Gray』の連載を開始した。 『サスペリア』誌にて連載中だった『天を見つめて地の底で』は、掲載誌休刊により『ミステリーボニータ』誌へ移籍。これにともないタイトルを『天を見つめて地の底で‐新章‐』に改題し、『ミステリーボニータ』2010年(平成22年)7月号から不定期連載中である。ボニータ増刊『ボニータDX』誌からの依頼で短期連載されたコメディ作品『イノセントGAME』は、掲載誌休刊により『ミステリーボニータ』誌へ移籍。これにともないタイトルを『イノセントGAME 巴伝』に改題し、不定期連載中。
※この「少女漫画誌時代」の解説は、「高橋美由紀 (漫画家)」の解説の一部です。
「少女漫画誌時代」を含む「高橋美由紀 (漫画家)」の記事については、「高橋美由紀 (漫画家)」の概要を参照ください。
- 少女漫画誌時代のページへのリンク