小天体の公転周期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:16 UTC 版)
天体力学では、中心天体の周囲を円軌道または楕円軌道を描いて公転する微小天体の公転周期 T {\displaystyle T\,} は、微小天体の質量が中心天体に比べて十分小さい場合には T = 2 π a 3 / G M {\displaystyle T=2\pi {\sqrt {a^{3}/GM}}} と表される。ここで、 a {\displaystyle a\,} は軌道長半径、 G {\displaystyle G\,} は万有引力定数、 M {\displaystyle M\,} は中心天体の質量 である。 この式から、軌道長半径が等しい円・楕円軌道はその離心率によらず同じ公転周期を持つことが分かる。 地球(または地球と平均密度が等しい任意の球対称の天体)の周囲を公転する小天体の公転周期は、 T = 1.4 ( a / R ) 3 {\displaystyle T=1.4{\sqrt {(a/R)^{3}}}} となる。同様に、中心天体の密度が水と等しい場合の公転周期は、 T = 3.3 ( a / R ) 3 {\displaystyle T=3.3{\sqrt {(a/R)^{3}}}} となる。ここで T の単位は時間で、R は中心天体の半径である。 このように、万有引力定数 G のような非常に小さな定数を用いる代わりに、水のような基準となる物質を用いることで重力の普遍的な強さを表すことができる。密度が水に等しい物質からなる球形の中心天体の表面近くを公転する小天体の公転周期は3時間18分となる。また逆に、この関係式は普遍的な時間の単位の一種として用いることもできる。 中心天体が太陽の場合、その周囲を公転する天体の公転周期は単純に T = a 3 {\displaystyle T={\sqrt {a^{3}}}} と表される。ここで T の単位は年、a の単位は天文単位である。この式はケプラーの第三法則にほかならない。
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