宗派の実態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 16:30 UTC 版)
現代日本における宗派という言葉は、場合によって意味する範囲が異なる。ひとくちに宗派と言っても、(各分派の細かい差異には目をつぶって)大まかな宗旨・宗派を漠然と意味している場合(例:天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗)や、寺院の現在の所属教団名のことを意味している場合(例:真言宗醍醐派、聖観音宗)や、伝統的な宗派門流を意味している場合(例:浄土宗白旗派、日蓮宗日什門流)などがある。 江戸時代までは、一つの寺院が複数の宗派を兼ねていることも珍しくなかった。 派名(●●宗××派)を名乗っていない宗派においても、曹洞宗や天台宗のように、下位の流派が独立教団にならずに大同団結しているところもあれば、日蓮宗や浄土宗のように、他に有力な分派があるにもかかわらず、ある分派が自身の教団をその宗派の正統として派名を名乗っていないところもある。 戦後になって教団から独立した寺院においては、歴史的背景があるのにもかかわらず、伝統とは異なる独自の教団名を名乗っているところもある。法隆寺の聖徳宗、浅草寺の聖観音宗などがある。これらは、実際には新たな教義を打ち立てた宗派と呼べるようなものではない。 現在、真言宗や臨済宗は、多数の分派に分かれているが、教義上の分派というよりも、近世の本末関係に基づいてそれぞれの教団に分かれた傾向にある。 現在所属している教団と伝統的な宗派門流と現在の活動はそれぞれ異なる場合がある。以下は架空の例である。 所属教団と宗派の関係の例寺院伝統的な宗派現在の所属(包括宗教法人)現在の教義A寺 A宗A派 A宗 A宗A派 B寺 A宗B派 A宗 A宗B派 C寺 A宗B派 A宗B派 A宗B派 D寺 A宗B派 単立 A宗B派 E寺 A宗B派 A宗B派 A宗B派+新宗教
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