天皇大帝とは? わかりやすく解説

天皇大帝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 00:53 UTC 版)

天皇大帝(てんのうたいてい[1]、てんのうだいてい)は神格化された北辰天の北極[2]のこと。後述するように、日本における天皇という称号の起源の有力な候補の一つと考えられている。北斗七星と混同されることもある。


注釈

  1. ^ 西暦500年頃に地球の歳差のために天の北極が移動するため、北極星はこぐま座のβ星から現在の北極星(α星)に移っている。
  2. ^ これは、いわゆる 「おりひめ」 そのものではなく、「おりひめ」 を含む星座織女三星のことである。
  3. ^ 即位の大礼、元旦の朝賀の際のもの。
  4. ^ これらの星の現行星との同定は 『欽定 儀象考成』 所載の星表のデータに対して土橋・シュヴァリエおよび伊が行ったものである。(大崎正次 (1987) 297頁。)
  5. ^ たとえば 『論語』 「陽貨篇」 に孔子の言葉として 「紫の朱を奪うを悪(にく)む」 とある。
  6. ^ ただし、当時の北極星とされていた帝星(こぐま座β星)はスペクトル型K型を示すので、赤っぽく見える。
  7. ^ 日本の天皇家の五色之幡(ごしきのばん)の色彩観念およびその用語そのものも道教の 『墉城集仙録』(ようじょうしゅうせんろく)の 「九天玄女」 の伝記に見える。五色之幡は現在でも形を変えて神社や寺院、能の舞台などに見られる五色の幔幕である。伊勢神宮では社殿の建築材料や心の御柱(しんのみはしら)を伐採する際には「五色の薄絁(うすきぬ)」を用いると 『皇太神宮儀式帳』(804年)にあるが、道教の経典のひとつの 『抱朴子』(ほうぼくし)「登渉篇」 にも山中の石に敷いて祈るべきことが述べられ、他の道教の儀式にも頻出する。
  8. ^ 日本においては、少なくとも江戸時代以降、北辰は北極星(こぐま座α星)と同一視されていた。しかしこの頃は北極(これは星座のことを指している)の天樞(てんすう、きりん座 HD112028)が最も天の北極に近い時期であった。中国本土ではともかく、日本において5等星にすぎない天樞を北極星と見ていたとは考えにくい。これは以下の私幣禁断の事例にも言えることである。

出典

  1. ^ 田辺三郎助『日本の仏像大百科〈5巻〉:習合神・高僧』ぎょうせい、1991年、18頁。ISBN 4-324-02117-1 
  2. ^ 福島久雄 『孔子の見た星空』 大修館書店、1997年。
  3. ^ 高宗の天皇号は、「一代限りの個人的な称号」であって、厳密な意味での君主号ではなく、天武天皇はその1年半前に即位し、天皇号を称している。遠山美都男『天皇と日本の起源「飛鳥の大王」の謎を解く』(講談社現代新書、2003年)pp.271-272.
  4. ^ 能田忠亮 『東洋天文学史論叢』 恒星社、1943年、105頁。
  5. ^ 大崎正次 (1987) 48頁。
  6. ^ 大崎正次 (1987) 153頁。
  7. ^ 飯島忠夫 補訂 『支那古代史論』、恒星社厚生閣、1941年、第1圖。
  8. ^ 大崎正次 (1987) 295頁。
  9. ^ 史記』 「天官書」 および 『星経』 の 「北斗」 の項を参照。
  10. ^ 大崎正次 (1987) 173頁。
  11. ^ 鈴木駿太郎 『星の事典』 恒星社厚生閣、1968年、320頁


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