大風子油の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/10 05:43 UTC 版)
1939年の日本らい学会特別講演のらい治療法の現況において、特に学位論文としても研究した大風子油については、当時までの論文も総説に入れ、特に彼は熊本と台湾での経験をふまえて、発表している。他の薬物療法(金、銀、銅、水銀、ヒ素、ヨード、チモール、色素類、非特異的免疫療法、刺激療法、スルホン剤、ビタミン剤、細菌毒素、血清療法、栄養療法、など検討しているが、大風子油が唯一ある程度の効果が望めるとしている。療養所により、らいの程度の差が認められるが彼自身、九州療養所では約30%の改善率、台湾では56.6%としている。(林芳信の全生病院では50 - 80%)。彼の学位論文では、大風子油注射は網状織内被細胞系あるいはリンパ系統を刺激して局所的ないし全身的抗体産生機能を旺盛ならしめるとしている。結論としてらいの初期は臨床的治療状態を軽減するも、末期重症例では快癒状態に導くのは不可能とある。
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