単位とその表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 03:47 UTC 版)
ある物理量 Q の大きさを数値として求めて表したいときは、一定の大きさの量 Q1 を基準として定め、Q が Q1 の何倍であるかという数値 q1 を何らかの物理的操作により求める。このときの基準とした量 Q1 のことを単位とよび、特に物理量の単位を物理単位とよぶことがある。単位としてどのような量を選ぶかは社会的約束だが、物理単位とその表記法に関しては国際単位系(SI)が定められていて、SIに準拠した規則が国際標準化機構(ISO)で定められている。日本国内では計量法や日本工業規格(JIS)による定めがあり、これらもSIに準拠している。SIでは定められた単位について単位記号をそれぞれ定めており、量の値(量の大きさ)は数値と単位記号の積として表すと定めている。すなわち、数値 q と単位記号 u を使い次の式-1のように表す。以下、この方式をSI方式と呼ぶことにする。 式-1(SI方式): Q = q u {\displaystyle Q=q\ u} 例(圧力とPa): P = 1 P a {\displaystyle P=1\,\mathrm {Pa} } ここで Q は量記号であり、SIでは量の種類により推奨される記号が定められている。SI方式の量方程式において、量記号・数値・単位記号はすべて通常の数学の演算規則に従う。このように数式の各項が、すなわちひとつの文字記号(複数のアルファベットから成ることもある)がひとつの量を表すような等式や不等式を量方程式とよぶ。 数値および単位の定義に従って、式-1はいつでも式-2に変形できる。 式-2(SI方式): Q / u = q {\displaystyle Q/u=q} 例(圧力とPa): P / P a = 1 {\displaystyle P/\mathrm {Pa} =1} SIの定めでは、例えば表の項目名には式-2の Q/u という表記を使い、項目には数値のみを表記するという方法が使われる。同様にグラフの軸には数値のみを付記し、軸名には式-2に従い、例えば「圧力/Pa」などと表記する。
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