判決の要旨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 05:15 UTC 版)
「ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー事件」の記事における「判決の要旨」の解説
本判決は、旧著作権法に定められた「著作者はその著作物を複製する権利を専有し、第三者が著作権者に無断で複製する時は、偽作者として著作権侵害の責に任じなければならない」という規定に基づき、著作物の複製について、「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することを言う」と述べた上で、「既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はない」とした。 この判決で、裁判所は、既存の著作物に接すること無く、その存在や内容を知らずに既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、著作権侵害の責を負うものではない、という判断を示した。 なお、東京高裁の判決を受け継ぐ形で、『夢破れし並木道』については、『ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー』が作曲された昭和38年まで、音楽の専門家や愛好家の一部に知られていただけで、音楽の専門家や愛好家なら誰でも知っていたほど著名とは言えない、とし、『ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー』作曲者の鈴木については、作曲当時東京放送(TBS。現在は、法人格としてはTBSホールディングス。事業会社としてはTBSテレビ・TBSラジオ)に勤務して演出部長の地位にあり、昭和27年頃にはレコード係も務めていたが、作曲当時『夢破れし並木道』を知っていたとしなければならない特段の事情が認められない、とした。 楽曲の「類似部分」とされる箇所についても、「流行歌においてよく用いられている音型に属し、偶然類似のものが現れる可能性が少なくない」「『ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー』には『夢破れし並木道』にみられない旋律が含まれる」として、類似性を否定した。
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