初期の実験的エビデンス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 23:12 UTC 版)
アメリカ人社会心理学者のロイ・バイマウスター(英語版)と彼の同僚はセルフコントロールは筋肉のように強化されるし疲労もすると記述するモデルを提示した。その研究者たちは、最初の段階のセルフコントロールの「筋肉」の使用は後のタスクにおいて強度の低下、すなわち自我消耗につながるとした。後の実験での発見はこのセルフコントロールと自我消耗の筋肉モデルを支持した。 バイマウスターとEllen BratslavskyとMark MuravenとDianne Ticeによる1998年の鍵となる実験は、自我消耗が多様な文脈や状況で効果を持つという初期のエビデンスのいくつかを示した。彼らは最初にチョコレートの誘惑に抵抗した人々は、その後に難しいイライラするパズルのタスクをやり通す能力がより低くなっていることを示した。彼らはこの効果を事前のお菓子の誘惑に耐えたことによる自我消耗に起因させた。加えて、人々が自発的に彼ら自身の信念(考え)に反するものを含むスピーチを行った場合、人々はパズルのタスクをやり通す能力がより低くなっていることも示された。この効果は人々が選択肢を与えられず、考えに反するスピーチを書くように「強制された」場合はそれほど強くなかった。したがって、研究者たちは選択行為と考えに反する行動は同じ限られた資源のプールを利用していると提唱した。考えに反するスピーチをすることは自我消耗を生み出すと期待されたが、選択の要素を持ち込むことが感じられた消耗のレベルをさらに高めた。これらの発見は異なる状況での自我消耗の効果を示し、自我消耗が文脈固有ではないかもしれないことを強調した。この実験は、研究者が意志力の強さモデルのエビデンスを示した過去の研究で提案されていたアイデアを統合した点でクリティカルだった。この研究によって、バイマウスターと彼の同僚は自我消耗の最初の直接的な実験エビデンスを提供し、この主題の研究領域を創始した。
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