分散減少法
【英】:variance reduction method
単純なモンテカルロ法では,実験を繰り返して, 同一分布からの独立標本と考えられる数値を得て, これらの算術平均によってシステムの特性値(前記の同一分布の平均値)を推定する. この推定値に含まれる誤差の標準偏差は, 標本数の平方根に反比例するので, 高精度の推定値を得るのは困難である. この点を改善し, 反比例の係数を小さくするための方法が分散減少法である.
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分散減少法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 01:12 UTC 版)
数学、特にモンテカルロ法の理論における分散減少法(ぶんさんげんしょうほう、英: variance reduction)は推定の精度を改善するのに用いられる手法であり、与えられたシミュレーション、計算量(computational effort)に応じて適用し得る[1]。シミュレーションの出力値となる確率変数は、その結果の精度を左右する量である分散と結び付いている。シミュレーションを統計上効果的に、つまり、注目している確率変数の出力がより高い精度・より狭い信頼区間となるようにするために、分散減少法が利用できる場合がある。代表的なものに共通乱数法、対称変量法、制御変量法、重点サンプリング法、層化抽出法がある。ブラックボックスモデルを使ったシミュレーションに対しては、部分空間シミュレーション法やラインサンプリング法が用いられることもある。これらの項目の下位区分に、様々な特化型の技法が存在する。例えば、粒子輸送シミュレーションでは広範にわたって「ウェイト・ウインドウ法(weight windows)」や「セルインポータンス法(splitting/Russian roulette)」の技法が用いられるが、これらは重点サンプリング法の一形式である。
- ^ Botev, Z.; Ridder, A. (2017). “Variance Reduction”. Wiley StatsRef: Statistics Reference Online: 1–6. doi:10.1002/9781118445112.stat07975.
- ^ “The Method of Common Random Numbers: An Example”. Wolfram Demonstrations Project. 2016年3月29日閲覧。
- 1 分散減少法とは
- 2 分散減少法の概要
- 3 参考文献
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