内装・視界・安全性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/13 07:59 UTC 版)
「メルセデス・ベンツ・W116」の記事における「内装・視界・安全性」の解説
内装デザインは過剰な装飾を持たず、極めてシンプルである。スイッチ類は使いやすさや操作ミス防止のため形状や配置に多くの配慮がなされている。特にメーター類は見た目の虚飾を排し、確認のしやすさが最優先されている。これらによりメルセデス・ベンツは「ドライバーを惑わさない」とする。 ダッシュボードには厚いパッドが詰められ、突起のないスイッチ類や4本スポークステアリングホイールにより、衝突の際に乗員の傷害を軽減するよう配慮されている。パワーアシストを備えたハンドルはその中心に大きなパッドを持ち、衝撃吸収式のボスとショックアブソーバーも装備する。 大型のシートは快適性だけでなく、サイドサポートにも配慮されている。また、シート前端を柔らかくし傾斜を付けることで、脚の血管の鬱血を防ぐよう設計されている。 視界確保のため、窓ガラスやルームミラー、ドアミラーは大きくされている。独特の動きをするワイパーは、払拭面積を拡大(雨滴の78%を拭き取る)するとともに、高速走行時の浮きあがりを防止するように設計されている。 ウィンドウディフレクターと大型のレインランネルを装備し、サイドとリアの窓ガラスを雨滴で汚さず視界を保つよう工夫されている。また、窓を開けずに新鮮な空気を車内に取り入れることができるよう、空気取り入れ口が装備されている。カーエアコンは強力なブロアーを装備し、車が停止しているときでも車内の空気を1分間に3回入れ替えることが可能。また寒冷時にはフロントドアの内部にもヒーターの暖かい空気が導入されることで、暖房・曇り防止の一環となっている。これらにより、悪天候時でも車内を安全・快適に保つよう設計されている。 W116のボディ構造の特徴にセーフティセル構造がある。これは当時からのダイムラー・ベンツの特許によるものであり、乗員部分を特に強固にしたうえで事故時の衝撃は前後のボディで吸収するようにした構造である。セーフティセル内の乗員は保護される。 燃料タンクは追突された際の衝撃を避けるため、リア車軸上に設置している。 車両の横転に備え、ピラーとルーフは特に強化されている。 前述の通り、ABSを世界で初めて採用した車である。この装置はボッシュ製である。
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