内政問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 23:36 UTC 版)
「プブリウス・セルウィリウス・プリスクス・ストルクトゥス」の記事における「内政問題」の解説
ウォルスキ侵攻の前後、ストルクトゥスは過酷な債務に苦しむプレブス(平民)の怒りを解決する問題に関与することとなった。ティトゥス・リウィウスによると、二人の執政官の内、ストルクトゥスは穏健な解決を、インレギッレンシスは厳しい処置を求めた。ストルクトゥスがプレブスに共感をもっていたのに対し、ストルクトゥスはこの状況に嫌悪感を持っていた。 元老院での議論では、市民の債務を帳消しにすることを提唱した。ウォルスキ侵攻の脅威がより近づくと、元老院は兵役につく市民を確保するために、より穏健な策を提唱していたストルクトゥスを選んだ。ストルクトゥスは軍を編成するにあたって、市民に対して元老院が市民の懸念を解消する策を考慮中であることを伝えたが、しかしこの議論はウォルスキの侵攻で中断された。ストルクトゥスはローマの共通の敵に立ち向かうため、一時的に苦情を横に置くよう依頼した。さらに、兵役に付くローマ市民は債務のために鎖につながれる牢に入れられることもなく、さらに出征中に財産を処分されたり子や孫が逮捕されることも無いとの告示を発した。逮捕されていた債務者は直ちに解放されて軍に入隊した。続いて人々はフォルム・ロマヌムに集まって軍務に服する宣誓を行った。この後直ちに、ストルクトゥスは軍を率いてウォルスキ軍に向かった。 しかしウォルスキに勝利した軍がローマに戻ると、ストルクトゥスの約束は果たされず、同僚執政官のインレギッレンシスは債務に関するさらに厳しい処置を求めたため、パトリキとプレブス間の緊張が再燃した。元老院はインレギッレンシスを支持し、市民の怒りは約束を果たせなかったストルクトゥスにも向かった。ストルクトゥスはパトリキ・プレブス双方から嫌われて孤立し、単に執政官の一人としてバランスのためだけに残ることとなった。 この頃、商業の神であるメルクリウス神殿が完成したが、執政官のどちらが献納を行うかを決定することができなかった。元老院はこの決定を民会に委ねることとし、執政官のどちらが選ばれても、穀物の配給や商人ギルドの設立などの業務を行うこと、また神祇官の立会のもとで祭祀を行うことを伝えた。しかし民会は元老院・執政官双方を侮辱するかのように、筆頭ケントゥリオのマルクス・ラエトリスウスという人物を選んだ。これにはアッピウスと元老院も激怒して一触即発となり、人々は徴兵拒否で応えた。アッピウスはストルクトゥスの事を民衆に迎合して債務の審理も徴兵もしない裏切り者と非難している。
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