公民館図書室から文学館へ(1977-)
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「津市図書館」の記事における「公民館図書室から文学館へ(1977-)」の解説
旧久居市は1977年(昭和52年)に久居市中央公民館を建設し、その中に郷土資料室と併設した図書室を設け、図書館業務を開始した。図書室はわずか100m2であった。清水正明の『三重県の図書館』 では「公民館図書室は次第に手狭となり、市民の間で図書館を求める声が高まった」旨が書かれているが、図書館準備室の担当者は市民の間から図書館設置を求める運動は特になく、建設準備中に意見を募集しても20件ほどしか集まらなかったと述べている。1991年(平成3年)、図書館の基本設計がコンペによって決定し、各地の図書館を視察して開館後の運営方針が練られていった。 図書館の建設工事は1991年(平成3年)9月20日に始まり、1992年(平成4年)12月12日に完成した。総工費は7億8280万円、備品費は3850万円であった。1993年(平成5年)に久居市図書館(愛称は「久居市ふるさと文学館」)が開館した。図書館は独立した建物で、鉄筋コンクリート構造3階建てである。開架室は機能重視のワンフロアで奇をてらわずにシンプルな構造であった。また車椅子でも利用しやすい間隔が広く背の低い書架を採用し、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)や多機能トイレの設置など、障害のある人にも利用しやすい施設として整備された。図書館の開館と同時に公民館図書室は閉鎖された。 久居市図書館は1994年(平成6年)から4年連続で人口3万人以上4万人未満の市に立地する図書館の中で貸出冊数が日本一となった。(市民の利用登録率47%、貸出冊数約25万冊で市民1人当たり6冊に相当した。)当時の司書は朝日新聞の取材に対し「特別なことはしていない」と回答している。これは、開館前の図書館視察の結果、「できうることをごく当たり前にやる」という方針で運営することが決まったからである。また、図書館の建設に際して多くの図書館に視察を受け入れてもらった恩返しとして、視察要望にはできる限り応じるようにし、利用者に対してはサービス業に徹して丁寧な接客を心がけた。2000年(平成12年)12月1日、図書を読み上げる機械を導入した。
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