低温熱傷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:52 UTC 版)
温熱熱傷の1つ。皮膚表面に赤紫色の網目状の模様を呈することから大理石様皮斑とも呼ばれる。低温やけど、ひだこ、ナモミなどの別称がある。低温熱源に長時間直接接触、あるいは輻射熱により皮膚表面に近い表在性血管が持続的に拡張によって発症し、発症までの時間は接触部の温度が44℃だと約6 - 10時間で受傷するが、熱源がより高温になるに従い短時間でも受傷する。 溶鉱炉や精錬所等の職業従事に起因することもあるが、一般人が日常生活で使用する炉や冬季の暖房器具(炬燵、湯たんぽ、懐炉、ストーブ)などで長時間曝露されることでも発症が見られる。温度調整が可能な電気コタツ、電気毛布、ホットカーペットなどで比較的低温に設定している場合でも、熟睡や運動不随、高齢による知覚緩慢、泥酔、一酸化炭素中毒、糖尿病による循環器不良などで無知覚なまま受傷してしまうケースも多い。体温調節が未発達な乳幼児では併せて熱中症の危険も伴う。近年では、ノートパソコンをひざ上に乗せて長時間使うことで下面からの放熱で受傷したり、キーボードやパームレストからの放熱で手のひらを受傷してしまったとの報告がある。
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