他の路線への直通運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 18:20 UTC 版)
山形側では、古くより奥羽本線の山形以南の赤湯・米沢方面や羽前千歳以北の楯岡(山形新幹線開業後、村山駅に改称)・新庄方面への直通運転が行われていたが、1992年の山形新幹線(福島 - 山形間)の開業に伴う標準軌改軌により、赤湯・米沢方面への直通が不可能となった。その後も楯岡・新庄方面への直通運転は行われたが、1999年の山形新幹線(山形 - 新庄間)の延伸開業後は羽前千歳以北への直通も不可能となり、奥羽本線とは完全に分離された状態となった。 仙台側についても、以前は福島駅・岩沼駅・白石駅・松島駅・小牛田駅発着の東北本線直通列車が定期列車として運行されており、仙台空港鉄道仙台空港線(仙台空港アクセス線)の開業と同時に仙台空港駅まで相互直通運転を求める動きもあった。仙台空港線の建設にあたっては、仙山線の高速化および仙台空港アクセス線との相互直通化の調査を1999年(平成11年)度から国土交通省が行い、各界からも両件の実現を望む声が強かった。続いて東北運輸局も両件に関して「公共交通活性化総合プログラム」の調査を行った。 しかし、2005年12月に行われた宮城・山形両県知事とJR東日本との会談では、仙台空港線開業と同時に仙山線と直通運転するのは困難との見解がJRから示された。当時のJRは、仙山線の遅延が他線に波及するのを防ぐため東北本線直通列車を漸次縮減しており、仙台空港線の開業と同時に行われた2007年3月18日のダイヤ改正では東北本線直通列車(愛子発岩沼行2本)を全廃している。同日のダイヤ改正以降、東北本線に直通する定期列車は1本も設定されていない。 2007年4月・5月には団体専用臨時列車として山形・仙台空港間を直通する列車が設定されたが、仙山線 - 仙台空港アクセス線を直通運転する臨時列車はこれを最後に一度も運行されていない。その後、山形県の議会や行政を中心に仙台空港線への直通を求める要望が度々論議に上がっているが、仙台空港アクセス線は都市型ワンマン運転を実施しているためE721系500番台とSAT721系電車のみの限定運用となっており、JRは仙台駅 - 仙台空港駅間のダイヤ乱れを防止する観点から仙山線との直通運転には難色を示している。
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