両選手の比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 14:35 UTC 版)
両選手ともアマチュア時代にアメリカ代表選手としてオリンピックに出場し、アリは1960年ローマ大会のライトヘビー級、フォアマンは1968年メキシコ大会のヘビー級で金メダルを獲得している。プロ転向後は、ともに無敗のままヘビー級チャンピオンへと駆け上がった。 挑戦者:モハメド・アリ 1942年生(当時32歳)。プロ成績は46戦44勝(31KO)2敗。1964年にソニー・リストンを倒し、22歳の若さでヘビー級チャンピオンとなるも、ベトナム戦争への徴兵を拒否したことから1967年に王座を剥奪され、3年7カ月のブランクを余儀なくされた。 1970年に復帰したが、王座奪回に挑んだ1971年3月のジョー・フレージャー戦でプロ初ダウンと初黒星(判定負け)を喫し、1973年3月のケン・ノートン戦でも顎を砕かれて判定負けした。その後、両者との再戦で判定勝ちをおさめ、フォアマンへの挑戦権を得た。 王者:ジョージ・フォアマン 1949年生(当時25歳)。プロ成績は40戦40勝(37KO)。1973年1月、王者フレージャーから6度のダウンを奪い、2ラウンドKO勝利でヘビー級チャンピオンとなった。防衛戦は1973年9月のホセ・キング・ローマン戦を1ラウンドKO、1974年3月のノートン戦を2ラウンドKOで勝利し、連続KOを24戦に伸ばしてアリとの対戦を迎えた。 対戦のポイントは「象をも倒す」といわれたフォアマンのパンチ力と、「蝶のように舞い、蜂のように刺す」といわれたアリのスピードであった。アリは記者会見でフォアマンを「Mummy(ミイラ)」と呼び、のろまな動きでは自分を捕まえられないと挑発した。しかし、復帰後の試合ではアリのフットワークに衰えがみられ、この試合でキャリア初のKO負けを喫して引退に追い込まれるのではないかと囁かれた。アメリカの専門家筋の予想は4対1、ロンドンのブックメーカーの掛け率は11対5でフォアマン勝利を支持した。 ジョージ・フォアマンはヘビー級史上最強のパンチャーかもしれない。2ラウンドか3ラウンドくらいなら、アリはフォアマンのハンマーのような強打を逃れられるかもしれないが、15ラウンドは無理だ。遅かれ早かれ、チャンピオンはハンマーのようなパンチを決めるだろうし、モハメド・アリは初めてカウントアウトになるだろう。第1ラウンドでそうなる可能性もある。 — デイヴ・アンダーソン (Dave Anderson) 、ニューヨーク・タイムズ1974年10月27日付
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