世界保健機関(WHO)の見解
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「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「世界保健機関(WHO)の見解」の解説
2015年12月の世界保健機関(WHO)専門委員会GACVSの声明では、複合性局所疼痛症候群(CRPS)や体位性頻脈症候群(POTS)については、医薬品の承認前と後のデータの検討からは関連するとの証拠はなく、慢性疲労症候群(CFS)については、イギリスでの観察研究によって関連が見られていないとされた。重篤な患者はこれらの症候群に精通した医師への紹介が推奨される。 また、フランス医薬品庁が実施した200万人の若い女性を対象とした、自己免疫疾患についての後ろ向きコホート研究では、接種後3カ月以内のギランバレー症候群の発症が10万人に1人程度の頻度で増加することが見出されたが、他の小規模な研究では報告されていないとした。 2017年5月にWHO(GACVSではない)が声明を公表し、ギランバレーなど自己免疫疾患を含めて承認後の集団ベースの研究、および承認後レビューにおいても関連は見られず、CRPSやPOTSについて承認前後のデータからワクチンの影響は見いだせなかった。 7月にGACVSの報告では、イギリスでの1040万回分、アメリカで6000万回分の母集団による研究からギランバレーのリスク上昇はなく、アメリカとデンマーク、日本から新たにCRPS、POTSなどが報告されたが以前から因果関係の証拠がないとしており、またシステマティックレビューを依頼し、73,697人からなるその結果草案から重篤な有害事象に接種群と非接種群とに差を見出さなかったとした。 そのシステマティックレビューには、26研究のランダム化比較試験が含まれ、重篤な有害事象についての定義はないため個々の研究でその数に変動があるが、個々にはワクチン群と偽薬群と差はみられず、また、すべての研究のコメント欄に他のバイアスのリスクについて、ほぼ製薬会社資金の研究でリスク高と記され(リスク低1件でそれ以外の資金、不明確1件)、それ以外の多くの要素ではリスク低が多い。
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