不正選挙計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 13:49 UTC 版)
「1960年大韓民国大統領選挙」の記事における「不正選挙計画」の解説
早期選挙に持ち込んだ自由党は、次に官憲を動員した不正選挙を計画した。公務員による選挙運動網を作って、警察がこれを監視する体制を採った。そのため内務部(現大韓民国行政安全部)では「公務員親睦会」を組織させ、3人組、9人組の公開投票班を編成させる一方で、警察にはいかなる手法を使ってでも自由党候補を当選させるように指示した。また、内務部は崔仁圭長官、李成雨次官、李康学治安局長などが中心となってソウル特別市と各道の警察局長、査察課長、警察署長等の警察幹部、各市長や郡守、邑長等の自治体首長を内務部に召喚して以下のような選挙運動方針を指示した。 自然棄権票、選挙人名簿に虚偽記入された幽霊票、金銭で買収して棄権するように工作した票などを有権者の4割程度作った上で、事前に自由党立候補者に記入、投函させること(四割事前投票)。 自由党立候補者に投票するようにあらかじめ工作した有権者で3人組又は9人組を編成、その組長が組員の投票用紙記入状態を確認した後で、各組員が記入した投票用紙を自由党側の選挙委員長に見せてから投票箱に投票させる(三人組、九人組公開投票)。 自由党支持者に腕章をつけさせて投票所周辺を自由党一色にして、野党支持の有権者に心理的な圧力を加えて自由党に投票させるように仕向ける。 民主党側の投票立会人を買収して無関心にさせるか、それが出来なかった場合は何らかの理由をつけて、野党側立会人を投票所外に追い出す。 以上のような指示の元に、内務部幹部等はさらに以下のような具体案を作成した。この具体案は、1960年1月に相次いで開かれた全国各市・道警察局長査察課第二係長及び分室長合同会議で指令されると同時に、もし担当警察官を初め各市長や郡守、邑長がこの任務を完遂できない場合には罷免することとし、あらかじめ辞表を提出もさせていた。 選挙日には自由党腕章着用者の相当数を投票所の100メートル付近に配置させること。 投票箱輸送途中、投票箱を自由党立候補者に有利に偽装工作した投票箱と取り違えること。 開票時、混乱する際を利用してあらかじめ準備した自由党候補票の束を混ぜて入れる若しくは野党候補票を取り除く 開票完了後、偽装した投票計算書を公表する。 自由党立候補者の得票目標を野党候補得票に対し5対1、すなわち83%以上にすること。
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