上位法と下位法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 02:16 UTC 版)
各種の法形式相互間で、競合する所管事項について内容に矛盾衝突が生じることがある。この場合、例えば日本法上、国会の制定した法律は、行政機関の定めたの命令・規則よりも上位の法であるとして優先される。つまり、上位法は常に下位法よりも強い効力をもつため、下位法は上位法に反する定めを置くことはできないし、そのような解釈を採ることもできない。憲法は上位法の典型例であり、法律は可能な限り憲法に適合するように解釈しなければならないことは、特にアメリカの判例が多く言及するところである。憲法と条約とが矛盾するとき、どちらが上位法として優先されるかについては議論があるが、条約の高度の政治性故に、アメリカ及び日本の司法は伝統的に違憲審査の適用には慎重な態度を採っている。司法はどこまで行政の政治的判断を尊重すべきか、三権分立の理解にかかわる問題である。
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