リアルタイム用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:19 UTC 版)
「3次元コンピュータグラフィックス」の記事における「リアルタイム用途」の解説
リアルタイムの3DCGは科学的なシミュレーションの可視化や、シミュレーターおよび3D CADオペレーションといったインタラクティブ用途に使われる。コンピュータゲーム(テレビゲームやPCゲーム)でも3DCGが一般的になっている。3DCG専用のAPIは主にPCゲームで描画処理を高速化するためにグラフィックスハードウェア(GPU、グラフィックスチップ、ビデオカード/グラフィックスカード)を利用するとき、プログラマが抽象化レイヤーを通してグラフィックスハードウェアにアクセスする方法を提供し、プログラマの負担を軽減する。次のようなAPIはインターフェイスの汎用化が必要となるパーソナルコンピュータやスマートフォンなどのモバイル機器において特によく使われる。 OpenGL オープン規格のAPI。さまざまなOSでサポートされており、移植性に優れている。3DCG作成ツールやCADのようなアプリケーションをはじめ、ゲームなどにも幅広く利用される。モバイルおよび組み込み環境向けのサブセットとしてOpenGL ES、またWebブラウザ向けのサブセットとしてWebGLが存在する。 Direct3D マイクロソフト製OS用のマルチメディアAPIであるDirectXのコンポーネントの一つ。ベンダーによるコンシューマー向けGPU製品のハードウェア最適化が進んでいることから、特に3Dゲーム開発に適している。 ハードウェアベンダー各社が各々のグラフィックスハードウェア上でこれらの汎用化APIをサポートすることで、同一のプログラムを異なるハードウェア上で動作させることができる。なおゲーム専用機の場合は必ずしも汎用化・抽象化が必要ではないため、各機器ごとに最適化された独自のローレベルAPIが用意されることがほとんどである。 OpenGL 1.5/Direct3D 8.0以降はそれぞれプログラマブルシェーダーをサポートし、プログラマがシェーディング言語によりシェーディング処理をカスタマイズできるようになった。ハードウェア性能の向上に加え、プログラマブルシェーダーによってリアルタイム3DCGの品質は飛躍的に向上した。 そのほか、AMDによるMantleの登場以降は、AppleによるMetal、マイクロソフトによるDirect3D 12、そしてクロノス・グループによるVulkanなど、ゲーム専用機向けAPIのようにハードウェア抽象化の度合いを下げてローレベルなハードウェア制御を可能とする描画効率重視のAPIが出現している。
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