マーリン1D
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/10/02 09:02 UTC 版)
「マーリン (ロケットエンジン)」の記事における「マーリン1D」の解説
マーリン1Dはファルコン9の改良型となるVersion 1.1の第一段で使用されているロケットエンジンで、海面推力は620kN、真空推力は690kN、真空比推力は310秒である。マーリン1Cと比べるとノズルの膨張比が14.5から16へ増える。将来的にはファルコンヘビーの第一段とブースターにも使用が予定されている。 新しい能力としては、100%から70%までの間で推力を絞ることが出来る。このエンジンの推力/重量比は160:1であり、ロケットエンジンとしては最高になる予定。 マーリン1Dが最初に使用されたのは、ファルコン9 Version 1.1の初打ち上げとなる2013年9月29日の6号機で、打ち上げは成功した。 製造開始から2年も経たない2014年10月に、マーリン1Dエンジンの製造数が100基目に達した。マーリン1Dエンジンはカリフォルニア州のスペースX社の本社工場で製造されており、週に4基のペースで製造している。2014年末までには週5基のペースにまで製造数を増やす。エンジンはサブアセンブリ単位で組立てられたものを下部アセンブリと上部アセンブリとして組み立て、この両者を結合すると品質検査を受ける。その後テキサス州のMcGregor試験場で燃焼試験を行って性能を確認する。それが終わると再びカリフォルニアに戻され、ファルコン9 1段のoctawebエンジン構造に取り付けられる。組立てられた1段エンジンは再びテキサス州の試験場に送られ、9基まとまった状態で燃焼試験が行われている。 2015年12月には、エンジンの改良に加え燃料の冷却などによりマーリン1Dエンジンの推力を約20%強化したファルコン9 v1.1 フル・スラストの打上げが行われた。
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