マルチチャネルフィルタバンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/07/10 06:34 UTC 版)
「直交ミラーフィルタ」の記事における「マルチチャネルフィルタバンク」の解説
オーディオ信号の符号化など、多くの応用では2チャネル以上のフィルタバンクを構成する必要がある。2チャネルの場合と同様の原理を用いて、折り返し雑音の除去や信号の完全再構成が可能なマルチチャネルの直交ミラーフィルタや共役直交フィルタを構築できる 。 最も単純には、2チャネルのフィルタバンクを木構造に接続していく方法がある。 2チャネルに分割した両出力をそれぞれ必要なチャネル数になるまで分割していき、合成時は逆に2チャネルの合成を同じように繰り返す。個々の2チャネルフィルタバンクが完全再構成の特性を満たせば、全体のフィルタも完全再構成ができる。 この方式は、比較的設計が簡単でチャネル分割の自由度が高いという特徴がある。チャネル分割の仕方は、全体を均一な木構造にして全てを同じ帯域幅にすることもでき、周波数により分割数を変えることでそれぞれ異なった帯域幅にすることも可能である。例えば、片側のみに枝が伸びる木構造の形に2チャネルのフィルタバンクを接続すれば、帯域を 1/2、1/4、1/8、1/16、… と分割するオクターブバンド構成のフィルタになる。 オクターブバンド構成フィルタバンクの周波数特性の例 もっと直接的に2チャネルの構成を任意の M-チャネルに拡張し、M 個の分析フィルタと 1/M ダウンサンプリング、及び M 倍アップサンプリングとM 個の合成フィルタを並列に並べることで実現する方法もある。2チャネルの場合より複雑になるが、折り返し雑音の除去、及び信号の完全再構成の制約条件があり 、それを満たすフィルタの組み合わせで完全再構成が可能なマルチチャネルフィルタバンクを実現できる。
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