フランス語以外で書かれたフランスの文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 23:42 UTC 版)
「フランス文学」の記事における「フランス語以外で書かれたフランスの文学」の解説
フランス語で書かれる文学以外に、フランスの文芸文化には他のフランスの言語で書かれた文学も含まれる。中世には、後に現代フランスの領域を形成することになるさまざまな領域の競合する標準語が、それぞれの文学伝統を生み出した。アングロ・ノルマン文学やプロヴァンス文学などである。地方言語による文学は18世紀まで続いたが、フランス語の隆盛により影が薄れ、また支配的なフランスの文学モデルの影響も受けていった。プロヴァンスのフェリブリージュに見られるような19世紀の意識的な言語復興運動は高まった識字率と地域の出版と相俟って、ノルマン語やその他の言語での文学制作の新たな開花を可能にした。 プロヴァンス語(オック語の一方言)の詩人フレデリック・ミストラル(1830-1914)は1904年にノーベル文学賞を受賞した。 ブルトン語は話者は減少しているが、ブルトン文学は1920年代以降活発になっている。1925年には、Roparz Hemonが雑誌『Gwalarn』を創刊し、あらゆるジャンルを網羅する独自の作品を作り出し、また国際的に認知された他言語の作品をブルトン語に翻訳することでブルトン語を他の偉大な「国際」言語と同等にまで高めようと19年間に亘って努力を続けた。1946年には、『Al Liamm』誌が『Gwalam』誌を引き継いだ。他にも数々の雑誌が登場し、ブルトン語は少数言語としてはかなり大きな文学の総体を持つようになった。ブルトン語の作家にはYann-Ber Kalloc'h、Anjela Duval、Per-Jakez Héliasなどがいる。 ピカルディ語も一定水準の文学創作を維持しており、特に演劇作品が多い。ワロン語の文学はベルギーでの創作がより活発であり、これに支えられている形となっている。 カタルーニャ語やバスク語の文学もフランス国外の読者の存在によって支えられている。
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